米最高裁の移民送還差し止め、保守派判事が批判 「性急で尚早」

4月20日、米連邦最高裁が移民当局に拘束されている複数のベネズエラ人男性の強制送還を差し止めるようトランプ政権に命じた判断について、保守派サミュエル・アリート判事が19日、「性急で時期尚早」と批判した。写真は20日、ベネズエラ人移民らが収容されているテキサス州アンソンのブルーボネット収容施設で撮影(2025年 ロイター/Daniel Cole)
Daniel Trotta
[20日 ロイター] - 米連邦最高裁が移民当局に拘束されている複数のベネズエラ人男性の強制送還を差し止めるようトランプ政権に命じた判断について、保守派サミュエル・アリート判事が19日、「性急で時期尚早」と批判した。
最高裁は19日未明、「政府には、本裁判所のさらなる命令があるまで(同様事案で集団訴訟の原告となり得る)いかなる被拘束人も米国から送還しないよう指示する」と命じた。アリート判事のほか、クラレンス・トーマス判事もこの決定に反対した。
アリート判事は5ページにわたる反対意見で、「文字通り真夜中に、最高裁は下級裁判所に判断機会を与えることなく、相手の意見を聞くこともなく、申し立て受け取りから8時間もたたずに、前例のない、法的にも疑問のある救済を下した」と主張した。
最高裁は6対3で保守派メンバーが多いが、アリート氏とトーマス氏以外は差し止めの判断を支持した。
問題となっていたのは、テキサス州アンソンのブルーボネット拘置所に収容されているベネズエラ人男性数十人の処遇。アメリカ自由人権協会(ACLU)の弁護士は18日、最高裁を含む複数の裁判所に緊急要請書を提出し、一部の男性が既にバスに乗せられ、国外退去を告げられているとして即時対応を求めていた。