トランプ氏が連邦職員の雇用区分変更、さらなる大量解雇を容易に

4月18日、トランプ米大統領はソーシャルメディアへの投稿で、数万人の連邦政府職員の雇用区分を変えることを明らかにした。写真は、閣僚会議に出席するイーロン・マスク氏。3月24日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)
[18日 ロイター] - トランプ米大統領は18日にソーシャルメディアへの投稿で、数万人の連邦政府職員の雇用区分を変えることを明らかにした。230万人規模の連邦政府職員の雇用保護を剥奪し、さらなる大量解雇を容易にする道を開く措置となる。トランプ氏は連邦政府が最終的に「企業のように運営される」と訴えた。
一例として雇用区分の変更後、政策に携わるキャリア職員は「スケジュール政策/キャリア」に分類されると説明した。
ミシガン大フォード公共政策大学院のドン・モイニハン教授は、「政策」に携わる職員を誰でも同じように「スケジュール政策/キャリア」に分類することで解雇される可能性のある職員の範囲が大きく広がると指摘。職員の解雇に先駆け、数十万人の雇用区分が変更される可能性があるとの見方を示した。
共和党のトランプ大統領は1期目の終盤、一部職員の雇用区分を「スケジュールF」と呼ばれる政治任用に切り替えると表明したが、バイデン前大統領(民主党)が2021年1月の就任初日に出した大統領令で撤回していた。当時はスケジュールFが導入された場合、少なくとも5万人の連邦政府職員の解雇が容易になると指摘されていた。
ロイターの集計によると、トランプ氏が25年1月に就任して以来、26万人を超える政府職員が既に解雇されたり、早期退職に追い込まれたり、雇用終了の対象になったりしている。
トランプ氏と、側近の実業家イーロン・マスク氏が率いる政府効率省(DOGE)は連邦政府が肥大化し、無駄と不正に満ちていると主張して人員削減の大なたを振るっている。
約80万人の組合員を擁する連邦政府職員の最大の労働組合、米公務員連盟(AFGE)のエベレット・ケリー会長は「何万人もの連邦政府のキャリア職員の仕事を政治化しようとするトランプ氏の行動は、政府の実力主義の採用制度を侵食し、米国民が信頼するプロフェッショナルの公務員を弱体化させることになる」と反発した。
約9万人の組合員を抱える専門・技術労働者国際連盟のマット・ビッグス会長は、トランプ氏の動きは連邦政府職員を「実質的に自由意志の職員にする。つまり解雇しやすくなる」と指摘し、これを阻止するために闘う意向を示した。