24年世界電源構成、再生可能エネが過去最高の32%=シンクタンク

独立系気候シンクタンク、エンバーが8日発表したリポートによると、昨年は世界の電源構成に占める再生可能エネルギーの割合が過去最高の32%となった。写真は風力発電所。ドイツで2024年8月撮影(2025年 ロイター/Axel Schmidt)
Susanna Twidale
[ロンドン 8日 ロイター] - 独立系気候シンクタンク、エンバーが8日発表したリポートによると、昨年は世界の電源構成に占める再生可能エネルギーの割合が過去最高の32%となった。前年の30%を上回った。
一方、熱波とデータセンターの影響により電力需要全体は4%増加した。
エンバーの電力・データアナリスト、ユーアン・グレアム氏はロイターに、トランプ米大統領が導入した広範囲な関税による貿易戦争でエネルギー安全保障への懸念が高まり、今年は再生可能エネルギー需要が一段と押し上げられる可能性があるとの見方を示した。
関税により、エネルギー市場と株式市場が急落し、世界的に景気後退(リセッション)への懸念が高まっている。
グレアム氏は、関税の影響が今年の電力需要に影響を及ぼすかを判断するのは時期尚早だが、再生可能エネルギーは恩恵を受ける可能性があると指摘。「各国はこれまで以上に安全保障とエネルギーの安全保障への意識を高めており、風力や太陽光など国産再生可能エネルギーの魅力がますます高まると思う」と述べた。