韓国中銀、為替相場のボラティリティー拡大を警戒 貿易戦争で

韓国銀行(中央銀行)は13日公表した金融政策報告書で、トランプ米大統領の関税政策を受けた貿易戦争の激化が予想以上に長引き、資本流出リスクが高まるとともに、為替相場のボラティリティーが上昇する可能性があるという認識を示した。写真はソウルで2017年11月撮影(2025年 ロイター/Kim Hong-Ji)
[ソウル 13日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は13日公表した金融政策報告書で、トランプ米大統領の関税政策を受けた貿易戦争の激化が予想以上に長引き、資本流出リスクが高まるとともに、為替相場のボラティリティーが上昇する可能性があるという認識を示した。
中銀は「ウォンの価値はドルだけでなく人民元の価値の変動にも大きく影響されることを考慮すると、ドル・ウォン相場のボラティリティーが大幅に上昇する可能性がある」と述べ、米国と中国の貿易戦争が激化する可能性があると予測した。
中銀は外国人投資家が資金を引き揚げることを警戒しており、引き続き「外国投資と為替動向を注意深く監視する」とした。
ウォンは今年に入って対ドルで1.6%上昇しているが、昨年は14%下落し、アジア通貨の中で最もパフォーマンスの悪い通貨の一つだった。
トランプ氏による一連の関税発動は企業利益を圧迫する見通しで、中銀は経済的影響に直面している。
昨年12月の尹錫悦大統領による短期間の戒厳令布告を受けて続く国内の政治不安も、消費者心理を減衰させている。