英金融規制当局、「多様性と包摂性」促進案を取り下げ

3月12日、英国の金融規制当局は、企業に不必要な負担をかける恐れがあるとして、業界の多様性と包摂性を促進するための新規則案を取り下げた。ロンドンの金融街で4日撮影(2025年 ロイター/Toby Melville)
Sinead Cruise
[ロンドン 12日 ロイター] - 英国の金融規制当局は、企業に不必要な負担をかける恐れがあるとして、業界の多様性と包摂性を促進するための新規則案を取り下げた。
健全性規制機構(PRA)の最高責任者サム・ウッズ氏は、「D&I(多様性と包摂性)」に「適切な焦点」を当てることで業界全体のガバナンス、意思決定、リスク管理に利益をもたらすことができるとなお考えているが、官僚主義的手続きを減らして競争力を向上させようとする取り組みに矛盾すると見なされる可能性があると述べた。
米国ではトランプ政権が反「多様性、公平性、包摂性(DEI)」政策を進めている。
英金融行動監視機構(FCA)はこのほか、執行活動の透明性を高めるために不正の調査段階で対象企業名を公表するとしていた提案も取り下げると発表。議員らが「名指しで恥をかかせる」ものだと批判していた。
FCAは一方で、調査中の案件の詳細を匿名ベースで公表することを検討しており、最終的な方針を6月末までに発表するとしている。