トランプ米大統領、南ア離脱望む農民の受け入れ表明 南アは冷静

3月7日、トランプ米大統領(写真)は、米連邦政府から南アフリカへの資金提供を全面的に停止し、安全上の理由から南アを離れたいと望んでいる農民らを米国に受け入れると表明した。3月6日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)
ワシントン/ヨハネスブルク 7日 ロイター) - トランプ米大統領は7日、米連邦政府から南アフリカへの資金提供を全面的に停止し、安全上の理由から南アを離れたいと望んでいる農民らを米国に受け入れると表明した。これに対して南アは、一方的に主張を押しつける「メガホン外交」には関わらない姿勢を示した。
トランプ氏は既に先月、南アの土地政策や、同国が国際司法裁判所(ICJ)に対しイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃をジェノサイド(民族大量虐殺)と主張していることを理由に、南アへの資金援助を凍結する大統領令に署名している。
トランプ氏は今回、自身のSNSトゥルース・ソーシャルに「さらに一歩進める形で、安全上の理由から南アを脱出しようとしている農民(とその家族)を米国に受け入れ、迅速な市民権付与への道を提供する」と投稿。こうしたプロセスを即時開始するとした。
これに対して南アの大統領報道官はロイターの取材に、南アは「非生産的なメガホン外交には関与しない」と回答。南アは今後も米国との間で、相互にとって利益となる二国間貿易や政治、外交関係を築くことに専念し、両国の関係は相互の尊重および南アの独立・主権の尊重に基づかなければならないと強調した。
南アはなお白人が国内の自由保有農地の4分の3を所有している。米政府統計によると米国の昨年の対南ア支援は総額3億2340万ドル。