メキシコ、米国以外の貿易関係強化を模索も=シェインバウム大統領

3月5日、メキシコのシェインバウム大統領は記者会見で、トランプ米大統領がメキシコからの輸入品に課す25%の関税が続く場合には、「必要ならば」と前置きした上で、「カナダや他の国に働きかける」として米国以外との貿易関係強化を模索する可能性に言及した。メキシコ市で撮影(2025年 ロイター/Raquel Cunha)
[メキシコ市 5日 ロイター] - メキシコのシェインバウム大統領は5日の記者会見で、トランプ米大統領がメキシコからの輸入品に課す25%の関税が続く場合には、「必要ならば」と前置きした上で、「カナダや他の国に働きかける」として米国以外との貿易関係強化を模索する可能性に言及した。
また、シェインバウム氏は関税についてトランプ氏と6日に電話で会談する予定だと明らかにした。シェインバウム氏は「これはメキシコにとって非常に決定的な瞬間だ」とし、「私たちの経済は大丈夫だが、服従はできない。状況次第では、カナダや他の国にも目を向ける」と訴えた。
トランプ氏はメキシコのほかにカナダからの輸入品にも25%の関税を課したほか、中国製品にも追加関税を発動した。カナダの情報筋によると、トランプ氏は5日にカナダのトルドー首相と約50分間にわたって会談した。
メキシコの自動車産業は関税の大きな打撃を受けることになる。米ゴールドマン・サックスによると、米国が2024年にメキシコから輸入した自動車と自動車部品は1814億ドルと、メキシコの国内総生産(GDP)の10%弱に相当する。
一方、ルトニック米商務長官は5日、関税について自動車など一部分野で緩和する可能性があることを示唆。早ければ5日にも発表する可能性があると表明した。
シェインバウム氏は、米国からの関税について今月9日メキシコ市の歴史地区にあるソカロ広場で集会を開くことを呼びかけた。自身はそこで米国への報復関税を含めた対応を説明するとの意向を示した。