欧州首脳、ベトナム訪問を計画 米関税リスク受け

複数の関係筋によると、欧州の首脳がベトナムとの関係強化のため、同国を訪問することを計画している。米国のトランプ政権が欧州とベトナムに関税を発動する可能性があり、緊張が高まっていることが背景だ。写真は欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長。ベルギーのブリュッセルで3日撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
Francesco Guarascio
[ハノイ 4日 ロイター] - 複数の関係筋によると、欧州の首脳がベトナムとの関係強化のため、同国を訪問することを計画している。米国のトランプ政権が欧州とベトナムに関税を発動する可能性があり、緊張が高まっていることが背景だ。
米国がベトナムに関税を課せば、両国関係が悪化する可能性がある。
欧州の当局者や外交筋によると、フランスのマクロン大統領はベトナムとの関係強化のため、5月下旬に同国を訪問する可能性がある。欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長もベトナムとの関係を正式に格上げするため、マクロン氏よりも先にベトナムを訪れる可能性がある。訪問はともに以前から計画されていたもので、まだ最終決定には至っていないという。
また、欧州委のシェフチョビチ委員(通商担当)も4月にベトナムを訪問する可能性がある。
フォンデアライエン委員長は先週、ベトナムで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)の会合にビデオメッセージを送り「関税と輸出規制の流れが強まりつつある。われわれは信頼できるパートナーと貿易・投資の新しい機会を作りたい」と述べた
EUは昨年、ベトナムから520億ドル相当の財を輸入。輸入額は米国の半分以下だが、EUはベトナムにとって第3の輸出市場となっている。
ベトナムに進出している米国のメーカーは、欧州よりも米国に対する輸出依存度が高いが、トランプ政権がベトナムに関税を発動した場合、ベトナムからEUへの輸出が増え、欧州企業による対ベトナム投資が進む可能性もある。