中国が対米報復関税、鶏肉や小麦に10日から10─15%

中国財政省は4日、米国からの一部輸入品に対し、今月10日から10─15%の追加関税を課すと発表した。資料写真、香港のコンテナターミナル、2024年11月(2025年 ロイター/Tyrone Siu)
[北京 4日 ロイター] - 中国政府は4日、米国の関税への報復措置として、米国産の農産物や食品などに対し10─15%の追加関税を課した。米中が全面的な貿易戦争へと一歩近づいた形となった。
また中国政府は、安全保障上の理由で米企業25社に輸出・投資制限を課すと発表した。ただ、2月4日のトランプ米政権の関税に対する報復措置とは異なり、著名企業への制裁は見送った。25社のうち10社に対する措置は台湾への武器売却が理由。
トランプ政権は4日未明(日本時間同日午後2時1分)、メキシコとカナダからの輸入品に対する25%の新たな関税と、中国に対する追加関税に10%上乗せする措置を発動した。
中国財政省は声明で、3月10日から米国産の鶏肉や小麦、トウモロコシ、綿花に15%の追加関税を課し、大豆や豚肉、牛肉、水産物、果物・野菜、乳製品などにも10%の追加関税を課すと発表した。
また、中国商務省は「米国の一方的な関税措置は世界貿易機関(WTO)の規則に違反し、中国と米国の経済貿易協力の基盤を損なう」と指摘。「中国は自国の正当な権利と利益を断固として守る」と強調した。
アナリストによると、中国政府は依然としてトランプ政権との休戦交渉を望んでいるが、報復関税の応酬が全面的な貿易戦争にエスカレートする可能性が残されている。
トランプ政権は今回、中国製の半導体、電気自動車(EV)など数千品目の中国製品に対する追加関税を20%に引き上げた。
また、これまで追加関税の適用対象外だった一部の米大手企業が中国から輸出するスマートフォン、ノートパソコン、ビデオゲーム機、スマートウォッチ、スピーカー、Bluetooth製品も対象となる。