中国、米イルミナの遺伝子解析機器を禁輸に 関税上乗せに対抗

3月4日、中国は、トランプ米大統領が中国からの輸入品への追加関税を従来の10%から20%に引き上げたことを受け、米医療機器メーカー、イルミナの遺伝子解析機器の輸入を禁止すると発表した。写真はイルミナの遺伝子シーケンシング・システム「NovaSeq X Plus」。イルミナ提供(2025年 ロイター)
[上海 4日 ロイター] - 中国は4日、トランプ米大統領が中国からの輸入品への追加関税を従来の10%から20%に引き上げたことを受け、米医療機器メーカー、イルミナの遺伝子解析機器の輸入を禁止すると発表した。
DNAシーケンスと呼ばれる同機器の禁輸措置は、中国が発表した一連の措置の一つ。中国政府は先月、イルミナを「信頼できない企業」リストに追加していた。
中国市場はイルミナの売上高の約7%を占めている。
中国商務部は声明で、イルミナが「正常な市場取引の原則に違反し、中国企業との正常な取引を停止し、中国企業に対して差別的な措置を取り、利益を著しく害した」と禁輸の理由を説明した。
イルミナはロイターの問い合わせに対し、中国で顧客へのサービスを継続するとし、「商務省の最新のガイドラインを順守して運営することを約束する」と述べた。中国事業への影響を十分理解するため、今回の発表を評価していると述べた。
中国政府は先月、「カルバン・クライン」などのブランドを保有するPVHコープも「信頼できない企業リスト」に掲載。また、米アルファベット傘下グーグルが中国の独占禁止法に違反した疑いがあり調査を開始すると発表していた。
リストに追加された企業は、罰金のほか、貿易の凍結や外国人スタッフの労働許可証の取り消しなど、幅広い制裁を受ける可能性がある。