米国際開発局の閉鎖に着手、マスク氏主導 国務省に一部吸収か

2月3日 イーロン・マスク氏(写真)は3日、米国際開発局(USAID)の閉鎖に取り組んでいると述べた。写真は1月20日、米ワシントンで代表撮影(2025年 ロイター)
Jonathan Landay Steve Hollnad
[ワシントン 3日 ロイター] - トランプ政権は、米国際開発局(USAID)の首都ワシントン本部への職員立ち入りを2日連続で禁止すると明らかにした。これに対し、民主党の上院議員2人は、抗議として国務省の指名承認を阻止すると表明した。
トランプ氏が就任後に大半の対外援助の一時凍結を命じる大統領令を出して以降、USAIDは混乱に陥っている。
USAIDは、「政府効率化省」(DOGE)を率いるイーロン・マスク氏の閉鎖対象となっている。ホワイトハウス高官はトランプ氏がUSAIDを国務省に統合することを検討中で、「同機関の効率性監督をイーロンに託した」と語った。
ロイターが確認した職員宛てのメールによると、民主党議員グループが3日、USAID本部前で、一時帰休となった数十人の職員らと抗議活動を行った。
ロイターが確認した別の社内メールによると、USAID本部と別の拠点の職員は4日もリモートワークを行うよう指示された。
ブライアン・シャッツ、クリス・バン・ホーレン両上院議員は国務省人事の承認を阻止すると表明した。ホーレン氏は「この違法行為が止められるまで国務省の候補者の指名が進まないように全力を尽くすつもりだ」と語った。
ルビオ国務長官は訪問先のエルサルバドルで、自身がUSAIDの暫定トップに就任したと記者団に述べた。また、各国にある米大使館などを訪問すると「その国や地域に関する国家戦略でわれわれがやろうとしていることに反するプログラムにUSAIDが関与していることが分かる。このような状況は続けてはならない」と述べた。
ルビオ氏は議会への書簡でUSAIDを再編することを伝え、一部は国務省に吸収され、残りは廃止される可能性があるとした。
USAIDは世界最大の援助資金供与組織。2023会計年度には、紛争地域における女性の健康から、清潔な水へのアクセス、HIV/AIDS治療、エネルギー安全保障、腐敗防止活動まで、世界中で約720億ドルの援助を拠出した。24年には国連が追跡する人道援助のうちおよそ42%を提供している。