欧州議会選、スペインは中道派が極右抑える 首相の地位強化へ

9日に行われた欧州議会選では、スペインの中道派が議席を増やす一方で極右勢力が伸び悩んだ。サンチェス首相(写真)が欧州中道左派の重鎮としての地位を高める結果となった。マドリードで9日撮影(2024年 ロイター/Violeta Santos Moura)
Belén Carreño Charlie Devereux
[マドリード 10日 ロイター] - 9日に行われた欧州議会選では、スペインの中道派が議席を増やす一方で極右勢力が伸び悩んだ。サンチェス首相が欧州中道左派の重鎮としての地位を高める結果となった。
サンチェス氏が率いる中道左派の「社会労働党(PSOE)」と最大野党の中道右派「国民党(PP)」は合わせて3分の2の票を獲得し、61議席のうち42議席を得た。前回2019年の選挙の得票率は約50%だった。
移民政策の厳格化を掲げる右翼政党「VOX(ボックス)」の得票率は19年の6.2%から9.6%に上昇したが、昨年の総選挙での12.4%からは後退した。
マドリード自治大学のイグナシオ・モリーナ教授(政治学)は、PSOEが連立を組む急進左派も敗北したことから、スペインの政治が10年間の分断を経て2大政党体制に戻ったとの見方を示した。
スペインは主要政党が共に親欧州派である唯一の欧州連合(EU)加盟国だと指摘し、「スペインは新しい欧州議会で有利な立場にある」と述べた。