OPECプラス監視委、生産枠の「適合と補償が極めて重要」と再確認

石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は4月5日に合同閣僚監視委員会を開催した。2023年10月撮影のイメージ写真(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
[ロンドン 5日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は5日に合同閣僚監視委員会を開催し、終了後に発表した声明では各国に割り当てた原油の生産枠を巡って「委員会は完全な適合と補償を達成できなかった国々に留意し、完全な適合と補償を達成することが極めて重要なのを再確認した」と表明した。OPECプラスは生産枠を超過した加盟国に対しては生産量を抑制し、増えた分を抑えるために生産量を一時的に目標より低くするように圧力をかけている。
中でもカザフスタンの生産量は記録的な高水準にあり、情報筋によると盟主のサウジアラビアを含めた加盟数カ国が反発している。OPECプラスはカザフスタンに対し、過剰生産分を抑えるために減産幅を上積みするように要求している。
有志8カ国が、原油生産量を5月から日量41万1000バレル増やすことで3日合意したのを受け、原油価格は新型コロナウイルス禍以来の安値水準を付けた。北海ブレント原油先物の4日の終値は前日比7%安の1バレル=65.58ドルと、2021年8月以来の安値となった。
有志8カ国は従来、5月の増産量を日量13万5000バレルにすることを予定していた。今回の決定が想定を上回る内容だと受け止められたことで、トランプ米大統領が打ち出した輸入関税強化による貿易戦争への懸念から下落していた原油価格は下げ幅を拡大した。
OPECは、加盟国が今月15日までに新たな減産計画を提出すると発表した。
次回の合同閣僚監視委員会は5月28日に開く予定。これに併せてOPECプラスは会合を開き、今後の生産量を決める計画だ。