「宮殿は我慢ならない」王室ジョークにも余裕の笑み、日陰の存在だったカミラ王妃の「素顔」に迫る
FOR DUTY, FOR LOVE

エリザベス女王、キャサリン妃と(21年6月) OLI SCARFFーWPA POOL/GETTY IMAGES
<君主制廃止論の抗議の声が響くなか、長年の王室ファンの顔を見つけてわざわざ挨拶に──数々の試練を乗り越えて喝采を浴びるカミラ王妃の「情熱」>
泣き言も言わず、若い女性でも疲労困憊する大量の公務を一手に引き受ける77歳のカミラ王妃。何が王妃を精力的に活動にかりたてるのか──本記事は後編
※前編はこちら:「ただ愛する男性と一緒にいたかっただけ...」77歳になった英王妃カミラの責任感と愛に生きる「本当の姿」
読書習慣を広げる活動に尽力
カミラはもともと弱音を吐かないタイプだが、チャールズが癌の診断を受けたことで、彼女の強固な自制心は極限まで試された。闘病中の夫を支えたいのはやまやまだが、公務をやめるわけにはいかない。
「(妻と王妃の)2つの役目を立派に両立させておられた。大したものだ。特に最初の1週間か10日は、心中とても動揺されていただろうに」と、側近は言う。
当初カミラは夫の病名を知っていても、国民は知らなかった。この時期の訪問先には、癌患者と家族を支援するロンドンのマギーズセンターも含まれていたが、側近によれば、カミラは自分が抱える心配事を「おくびにも出さず」、穏やかな笑顔で人々と接していたという。
それは昨年1月31日のこと。当時ウィリアム王子は、開腹手術を受けた妻のキャサリン(やはり癌と診断された)を支えるために公務を退いていた。
そのためカミラは、一時的に英王室の公的な役割を一手に引き受けていた。「大変な激務だった」と、側近は言う。「王妃の半分の年齢の女性でも疲労困憊しただろう」
側近によると、不幸中の幸いと言うべきは、この時期にメディアと世界が、カミラがこつこつ続けてきた活動に以前より注目するようになり、その意義に気付いたことだ。