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再送人民元、23年9月以来の安値 米国の対中関税が重し

2025年04月09日(水)14時47分

 4月9日、中国人民元はオフショア市場で、前日の海外市場で記録した過去最安値付近で推移している。写真は北京で2022年2月撮影(2025 ロイター/Florence Lo)

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[シンガポール/香港 9日 ロイター] - 中国のオンショア人民元が9日午前の取引で2023年9月以来の安値となる1ドル=7.3505元に下落した。米中貿易摩擦が激化する中、104%の対中関税の発動に対する投資家の懸念が重しとなっている。

一方、オフショア人民元はアジア時間の取引で0.62%高の1ドル=7.3812元。前日は1%以上下落し、過去最安値となる7.4288元を付けた。

米政府は8日、中国からの輸入品に対する104%の関税が午前0時過ぎに発効すると発表した。

コモンウェルス銀行の為替ストラテジスト、キャロル・コング氏は、「前日の海外市場でのドル/人民元の動きはかなり大きかった。トランプ米大統領が中国への追加関税を進めていることが背景にある」と分析した。

同氏はオフショア人民元が第3・四半期末までに1ドル=7.7元まで下落すると予想していると述べた上で、「米中がさらに高い関税を互いに課すことになれば」、この水準に達するのが早まる可能性があるとの見方を示した。

中国人民銀行(中央銀行)は9日、元の基準値を23年9月11日以来の元安水準となる1ドル=7.2066元に設定した。アナリストは関税が輸出に及ぼす影響を和らげることが狙いだと指摘している。

ただ、基準値はロイターの推定値を1282ポイント上回っており、人民銀行が急激な元安を望んでいないことを示唆している。

関係筋によると、中国の国有銀行は9日午前、人民元の下落ペースを和らげるため、オンショアのスポット市場でドルを売っている。

オンショア人民元とオフショア人民元は、米関税の影響に対する懸念を背景に今月、対ドルで1%以上下落している。

ロイター
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