NY外為市場=ユーロ上昇、独財政規律緩和受け 米FOMCに注目

ニューヨーク外為市場では、ドイツ連邦議会が財政規律を緩和する憲法改正案を可決したことを受け、ドルが対ユーロで軟化した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ニューヨーク 18日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドイツ連邦議会が財政規律を緩和する憲法改正案を可決したことを受け、ドルが対ユーロで軟化した。ただ、この日から2日間の日程で始まった米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を翌日に控え、為替相場の動きはおおむね低調だった。
日銀も18─19日の日程で金融政策決定会合を開いており、この日の取引でドルは対円で2週間ぶりの高値を付けた後、上昇幅を縮小した。終盤の取引でドル/円は149.165円と、ほぼ横ばいで推移している。
日銀は今回の会合で、米国との貿易を巡る問題が日本経済にどの程度のリスクをもたらすか議論する見通し。
日銀のターミナルレート(政策金利の最終到達点)を巡る市場の予想は1.20%近辺と、昨年末時点の0.90%近辺から上昇。MUFGのシニア外為アナリスト、リー・ハードマン氏は、今回の政策決定会合後もこうした予想は変わらないとの見方を示した。
ドイツ連邦議会はこの日、財政規律を緩和する憲法改正案を可決。経済成長の回復と欧州集団防衛のための軍事支出拡大に向け、数十年にわたり維持してきた保守的な財政方針を転換した。
これを受け、ユーロ/ドルは一時1.0954ドルと、昨年10月10日以来の高値を付けた。終盤の取引では0.2%高の1.0945ドル。
米国でインフレ懸念が払しょくされない中、連邦準備理事会(FRB)は今回のFOMCで金融政策を据え置くとの見方が大勢。市場では、トランプ政権の政策による影響をFRBがどのように捉えているか見極めようと、FRBが今回の会合に合わせて公表する最新の経済見通し(SEP)が注目されている。
ペッパーストーンのシニア・リサーチストラテジスト、マイケル・ブラウン氏は「経済見通しでは短期的なインフレ予想が上方修正され、経済成長予測が若干下方修正される」と予想。ただ、マクロ経済見通しが常に変化しているため、こうした予測に対する信頼度は低いとの見方も示した。
ドル/円 NY午後3時 149.21/149.26
始値 149.63
高値 149.93
安値 149.10
ユーロ/ドル NY午後3時 1.0944/1.0945
始値 1.0934
高値 1.0951
安値 1.0893