トランプ氏、FTC民主党系2委員を解任 規制当局の独立性に試練

3月18日、米連邦取引委員会(FTC)の民主党系委員2人が、トランプ大統領によって違法に解任されたと述べた。米首都ワシントンで17日、代表撮影(2025年 ロイター)
Jody Godoy
[ニューヨーク 18日 ロイター] - トランプ米大統領は18日、連邦取引委員会(FTC)の民主党系委員2人を解任した。民主党などからは、大企業に厳しい姿勢を取る委員を排除するための措置だと反発が出ている。
ホワイトハウス当局者は民主党系のアルバロ・ベドヤ委員とレベッカ・ケリー・スローター委員の解任を認めたが、それ以上のコメントは控えた。
両氏は解任撤回を求めて提訴する方針だ。ベドヤ氏はXに「これは明白な腐敗だ」と投稿。スローター氏は声明で「(トランプ)大統領は私をFTC委員から違法に解任し、法律の文言と最高裁の明確な先例を無視した」と述べた。
民主党のクロブシャー上院議員(ミネソタ州)は「FTCを違法に骨抜きにすれば、詐欺師や独占企業を利するだけで、消費者がその代償を払うことになる」と批判した。
FTCは消費者保護法や独占禁止法を執行する機関で、5人の委員のうち同じ政党からは3人までしか選べない超党派の構造となっている。
共和党系のファーガソンFTC委員長は18日、委員を解任するトランプ大統領の憲法上の権限に「疑う余地はない」とし、「政府の民主的な説明責任を確保するために必要だ」と述べた。
トランプ氏が3人目の共和党系委員に指名したマーク・メダー氏はまだ上院で承認されていない。政権が解任した民主党系2委員の後任を指名するかどうかは不明だ。FTCは委員2人のみで提訴などの決定を下すことができる。
トランプ氏は既に全米労働関係委員会(NLRB)など他の独立機関の委員を解任し、訴訟に発展している。
米最高裁は1935年、FTC委員は職務怠慢など正当な理由がある場合のみ解任できるとする法律を支持する判決を下した。この判決により、超党派の複数委員で構成する多数の独立機関はホワイトハウスによる直接的な統制から守られている。
しかし、トランプ氏は先月、独立機関に対するホワイトハウスの統制を強める大統領令に署名した。