スイス銀行部門、資本規制の弱点への対応必要 中銀が表明

3月18日、スイス国立銀行(中央銀行)は公表した年次報告書で、国内銀行セクターの資本規制の弱点に引き続き対応する必要があると表明した。ベルンの同銀前で2024年11月撮影(2025年 ロイター/Denis Balibouse)
[チューリヒ 18日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は18日公表した年次報告書で、国内銀行セクターの資本規制の弱点に引き続き対応する必要があると表明した。
同国では2023年に銀行大手UBSが経営危機に陥った同業クレディ・スイスを救済買収した。その後、政府は銀行規制の厳格化に向けた取り組みを進めており、中銀もこれに支持を示した形だ。
中銀は年次報告書で、UBSでは子会社に対する資本支援の弱点が昨年6月の調査で浮き彫りになったと指摘。
「中銀はUBSの親会社の現在の資本状況が、危機前のクレディ・スイスよりも強固だと強調した。だが、現在の資本規制の弱点に対応する必要はある」と述べた。
これに対し、UBSは世界のライバル行と比較してすでに十分な資本を保有していると反論。追加で多額の資本を積み増せば、競争上不利になると訴えた。
中銀は、UBSによるクレディ・スイスの統合については、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)や株価などを見ると、市場は前向きに評価していると指摘。
また、住宅ローン市場と不動産市場が引き続き重大なリスクをもたらしているとの認識も示した。