トランプ氏の「関税狂騒曲」、世界のインフレ加速と豪大手銀首脳

トランプ米大統領の関税発動に端を発した貿易戦争は、世界的なインフレを促進し、市場のボラティリティーを刺激し、経済成長を減速させる可能性があると、豪大手銀行2行の最高経営責任者(CEO)が18日述べた。写真はNABのアンドリュー・アーバインCEO(2025年 ロイター/Hollie Adams)
Christine Chen Byron Kaye
[シドニー 18日 ロイター] - トランプ米大統領の関税発動に端を発した貿易戦争は、世界的なインフレを促進し、市場のボラティリティーを刺激し、経済成長を減速させる可能性があると、豪大手銀行2行の最高経営責任者(CEO)が18日述べた。
コモンウェルス・バンク・オブ・オーストラリア(CBA)とナショナル・オーストラリア・バンク(NAB)のトップは、米新政権の保護主義的な政策はコスト上昇と確実性の欠如により中期的に世界経済を緊張させるとの見方を示した。
一方、豪の対米輸出は年約150億ドルで、全体に占める比率は比較的小さいことから、輸出の85%が米国向けのカナダよりは有利な立場にあるとも指摘した。
CBAのマット・コーミンCEOは、オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー・ビジネス・サミットで「世界経済の成長鈍化という下振れリスクは確かにある」とし、関税は「貿易の非効率性、ひいてはインフレ率の上昇」を意味すると述べた。
NABのアンドリュー・アーバインCEOは、豪中央銀行の利下げで経済は「一息ついた」が、トランプ政権の「関税狂騒曲」が今年さらなる利下げの可能性を低下させるかもしれないと語った。