アメリカ外交 ライバル国に甘い「戦略的忍耐」に大転換が、必然の選択だった理由
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バイデンはより柔軟な外交に舵を切ったが…… JONATHAN ERNSTーREUTERS
<北朝鮮やイランとの対決色を薄めたバイデンだが、中国の圧力でそうせざるを得なかった側面もある>
バイデン米大統領は就任後100日間で外交政策の路線転換に着手した。イランに対しては、核兵器開発に歯止めをかける核合意の復活を期して交渉再開を模索している。「朝鮮半島の非核化」問題では、トランプ前政権の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」要求に比べ、より対決色の薄い段階的な対北朝鮮政策を採用した。
バイデンは中国の急激な台頭に合わせて米外交の軌道修正を図っている。イランと北朝鮮へのアプローチは一部で「戦略的忍耐」とも評される新外交ドクトリンの典型だ。
バイデンはこれまで、2つの世界秩序の下で人生を送ってきた。まず、1945~89年の冷戦時代。アメリカはソ連に対する「封じ込め」政策を採用し、民主主義と自由市場経済の価値を訴えて世界の覇権をソ連と争った。この戦略は89年のベルリンの壁崩壊とその後のソ連の消滅につながり、アメリカに勝利をもたらした。
第2の時期は、89~2016年。アメリカは世界唯一の超大国として、ルールに基づく自由貿易と民主主義を基盤とした国際政治経済システムを世界中に広めた。89~19年に世界の1人当たり所得は約3倍に増え、民主主義は世界の国々の24%から57%以上に拡大した。
ライバル国とも協力する必要が
しかし、中国が05~20年にGDPを6倍に増やし、同時に軍事力を強化した結果、アメリカの一極支配は終わりを告げた。21世紀に入って初めて、世界秩序の主役を争うライバルがアメリカの前に登場したのだ。
バイデンはこの新たな状況にアメリカの外交ドクトリンを適応させようとしているが、アメリカ1国で新たな世界秩序を形成する時代はもう終わった。もう1人の主役である中国の動向も同じぐらい重要だ。
可能な限り中国やイラン、北朝鮮などのライバル国とも協力する必要がある。時には貿易関係と安全保障上の特定の利害をこれまで以上に分けて考える必要がある。南シナ海の主権や知的財産など、国益上決定的に重要な特定の問題で中国に対抗するため、テーマごとにさまざまな国との同盟関係を模索する......。バイデン流アプローチの主要部分は一見、中国台頭以前に逆戻りしているように見える。
アメリカの同盟関係、民主主義の価値観、経済システムは新しい世界秩序を主導する中国との競争において「永続的な強み」になると、バイデンは主張する。具体的にはクアッド(アメリカ、日本、オーストラリア、インド)のような国際的枠組みの活性化と、日本や韓国などとの2国間同盟の強化を図ることになりそうだ。
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