パックス・アメリカーナの終焉と、それでも続く無秩序な世界の進歩
古い国際秩序は崩れ、不安定な多国間システム化が進む。先進国では、既成政党の弱体化が続く。途上国では従来の制度の消失と権威ある指導者の不在に経済不安が重なり、社会秩序が脅かされ、国家の権威と社会的不満への対処能力が低下するだろう。
人々は不満をため込むと、本能的に自らを何らかの集団と重ね合わせ、移民など異質な人々を執拗なまでに「他者」と見なす。自分こそが集団の代表にふさわしいと主張する「指導者」に感化されやすくなる。
民族や国家、あるいは過去の想像上の純粋な時代に逃げ込み、「他者」を悪魔と見なして「指導者」に救いを求めるのは、問題を抱えた社会や個人が陥るおなじみのパターンだ。グローバル化と社会不安が、ドナルド・トランプとウサマ・ビンラディンの両方を生んだのは、歴史のいたずらと言うべきだろう。
それでも教育水準は上昇し続け、歴史上初めてこれだけ多くの国に活力ある中流層が生まれ、多くの人々が安全で健康的な生活を送れるようになった。過去200年以上にわたり、理論的な思考と、個人を重んじる国家の努力によって生活水準は徐々に上がり、紛争は減ってきた。
19年も経済をはじめ緊張は絶えないだろう。だが、過ぎ去る18年と同じくらいには進歩が見られるはずだ。輝かしく、しかし臆病で、無秩序な進歩が。
<本誌2018年01月01&08日号掲載>
※2019年1月1/8日号(12月26日発売)は「ISSUES2019」特集。分断の時代に迫る経済危機の足音/2020年にトランプは再選されるのか/危うさを増す習近平と中国経済の綱渡り/金正恩は「第2の鄧小平」を目指す/新元号、消費税......日本は生まれ変わるか/フィンテックとAIの金融革命、ほか。米中対立で不安定化する世界、各国はこう動く。
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