- HOME
- コラム
- 現代ニホン主義の精神史的状況
- タリバンを野蛮と切り捨てる危うさ
タリバンを野蛮と切り捨てる危うさ
「女性の解放」はこうした暴力の効果として実行された。またそれは、その先10年以上にわたってアメリカがアフガニスタンに爆弾を落とし続けるための口実に使われた。そもそも中絶の権利を否定するような宗教右派の支持によって大統領になったG・W・ブッシュが、アフガニスタンの女性の権利をまともに憂慮していたとは考えにくい。この戦争に大義はない。
暴力とともに配給された人権を、その土地に根付かせることは難しい。事実としてアフガニスタンではそれが後退することになってしまった。医師の中村哲は、2019年に銃撃を受けて亡くなるまで、アフガニスタンで医療支援や緑化事業に従事していた。その彼は一貫して軍事力の行使に反対していた。物理的な暴力も、構造的な暴力も、そのどちらも拒否しようとするなら、たとえ理想だとしても、平和と人権の二兎を追う必要があるのだ。
岸田から次期総裁への置き土産「憲法改正」は総選挙に向けた「裏金問題」隠しか 2024.09.11
人道支援団体を根拠なく攻撃してなぜか儲かる「誹謗中傷ビジネス」 2024.07.29
都知事選、蓮舫候補の「二重国籍」問題の事実関係を改めて検証する 2024.06.20
政治資金改革を時間稼ぎの「政局的な話」としか考えていない自民党 2024.05.17
「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令 2024.04.23
『オッペンハイマー』:被爆者イメージと向き合えなかった「加害者」 2024.04.11
日本で車椅子利用者バッシングや悪質クレーマー呼ばわりがなくならない理由 2024.03.27