コラム

GAFAMには哲学者がいる、本質を探究しない日本企業は「不真面目」

2021年03月13日(土)11時40分

「投資にはお金だけでなく、愛情や情熱、やる気、時間など、とても大きなエネルギーが必要。投資とは、エネルギーを投じて未来からお返しをいただくことだ」

「お返し」として一番分かりやすいのは資産が増えることだが、決してそれだけはない。人から感謝されたり、人脈ができたりすることも立派なお返しだ。藤野氏は、「大事なのは、情熱やノウハウ。お金がないと投資ができないかと言えば全然そんなことはない。むしろお金は最後に必要なモノ」と言う。

そう語る理由は、日本には市場に出回らないお金が1000兆円以上存在するからだ。日本銀行の「2020年第3四半期の資金循環(速報)」によると、2020年9月末時点で個人が保有する現金・預金は1034兆円。消費抑制の影響もあってか、過去最高を更新した。

「足りないのは、お金ではなく情熱。投資家とは情熱に対してお金をつけていく人で、投資は生産的かつ主体的な行為。自分が主人公になり、世の中に対して行動や変化を起こして、未来からお返しをもらう。それこそが投資の本質だ」

投資=金儲けの文脈で語られることも多いが、必ずしもそれだけではないということだ。

構成・酒井理恵

●YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」
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プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)など。

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