GAFAMには哲学者がいる、本質を探究しない日本企業は「不真面目」
「お金のまなびば!」より
<世界のIT市場を牽引するGAFAMにあって、日本企業にないものとは何なのか――。誤解されがちな「投資家の生き方」に、日本が明るい未来を迎えるためのヒントがある>
カリスマ投資家の藤野英人氏と、お金や投資、経済について学んでいくYouTubeチャンネル「お金のまなびば!」。
前回に引き続き、同チャンネルの動画「【対談】プロの投資家とIT社長で本気でお金を語る」から、藤野氏とGunosy代表取締役社長、竹谷祐哉氏が語る「お金」と日本の問題点を取り上げる。
前回の記事(お金のネガティブな印象と悪しき日本の「頑張りズム」)では、効率や生産性、付加価値の上げ方よりも、「つらい仕事を頑張ること」「汗水たらして働くこと」が称賛される日本社会の弊害を紹介した。
藤野氏によると、日本企業にはほかにも致命的な問題点が存在する。それは、そもそも自分たちが何者であるか、どういう会社であるかを話す時間がとても少ないということだ。
世界的なIT企業であるGoogle、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftの5社は、それぞれの頭文字をとって「GAFAM」と呼ばれる。藤野氏によると、GAFAMの経営には哲学者が関わっているという。
「例えばAmazonなら『買うとはどういうことか』、Facebookなら『コミュニケーションとは何か』を本質的に考えている人がいる。活発な議論から生まれる仮説と、それに基づいた小さなトライアンドエラー。その繰り返しがGAFAMの世界的地位を確立させた」
日本の技術力には以前ほどの勢いは見られないものの、未だ世界で高い水準にあることは間違いない。
しかし、「経済の本質」を本気で探索する議論をする企業や経営者は少ない。なぜなら、日本の社会では物事の本質よりも「規範に対して忠実に行動すること」が求められるからだ。
藤野氏はこのことを「日本企業はある意味、不真面目だ」と指摘する。
真面目の語源は宋時代の漢詩の「真面目(しんめんもく)」までさかのぼり、本来の意味は、リアルな顔、つまり"自分らしくそれぞれに生きている、本質的に生きている"こと。
その人がその人らしく、素直に「なぜだろう」を突き詰めることが、本来の真面目だとすると、その問いをしないことは、不真面目なのだという。
お金よりも大事な「投資家思考」とは?
「お金」を本質的に考えるうえで、避けては通れない投資の話。
「投資は未来の価値をつくるもの」「未来への挑戦の資金源」と話す竹谷氏は、会社として7〜8年間に200億円以上を「投資」に使っているという(他社への発注なども含む)。一方、藤野氏にとって投資とは一体何なのだろうか。
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