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南アフリカの奇跡、シヤ・コリシが教えてくれたこと
貧富の差が激しく、治安も悪く、大きな政治不安も抱く南アフリカですが、今回の優勝で僅かに希望が見えました。
スポーツの力はそれほど大きくないので、たとえコリシ選手が将来大統領になったとしても、世の中は大して変わらないかもしれません。しかし、この6週間に南ア代表が見せたファイティング・スピリッツは、南ア全土で大勢の子供たちの誇りになり、逆境に耐える力の源泉になるかもしれません。
1995年にスプリングボクスがW杯で初優勝したときは一人だけだった黒人選手が、2019年には11人になりました。多民族チームに対して時に懐疑的な日本のメディアや政治家と違って、南アフリカは人種の坩堝であることを最大の誇りとしてきました。
数々の異なるアフリカ民族(黒人)、オランダ系移民、イギリス系移民、インド系移民、中国系移民などで構成される南アフリカ、別名「レインボー・ネーション(虹の国家)」にとって、欠点も多いその社会はそのまま自身のアイデンティティであり、新しい国家の理想像を打ち出したネルソン・マンデラが唱えた団結を求めて、これからも歩いていきます。
シヤ・コリシ選手のように、打たれても、血を流しても、立ち直り、前を向く、また倒されても、立ち上がり、生きていくのです。
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