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小惑星衝突の脅威は「核兵器」で軽減できる? 「第2の月」出現中のいま知りたい「地球防衛研究」の最前線
地球近傍天体と言えば、24年10月現在、地球には「第2の月」が誕生していることも注目を集めています。
アルジェナ小惑星帯にあった小惑星2024 PT5が地球の重力によって捕獲され、9月29日から11月25日まで約2カ月間、地球周囲を衛星の月のように周回する見込みです。詳細は、軌道計算を行ったスペインのマドリード・コンプルテンセ大の研究チームによって、アメリカ天文学会のオープンアクセス誌「Research Notes of the AAS」に発表されました。
人工物でなく天然天体が、一時的にでも地球の周回軌道に入って衛星となり「第2の月」として観測されるのは、今回で3回目です。
2006年9月~07年6月までの間、地球を周回していた小惑星2006 RH120は、直径3~6メートルと見積もられています。この星は2028年に地球に再度接近するため、もう一度「第2の月」になるかもしれないと考えられています。
2020年2月末に見つかった小惑星2020 CD3は、その3年ほど前から地球周回軌道に入っていたと推測され、2020年5月頃に地球の重力影響圏から離れました。直径が約1~1.5メートルと小さかったため、詳細を観測するのは困難でした。この年は、秋にも、地球を周回する小天体2020 SOが見つかりました。けれど、軌道を詳細に調べた結果、1966年9月にNASAの月探査機「サーベイヤー2号」の打ち上げロケットの残骸であることが分かりました。
2024 PT5は24年8月7日に、小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)によって発見されました。直径は約10 メートルで、これまでの「第2の月」よりも、やや大きいと見られています。
2024PT5が11月末に地球の周回軌道から外れると聞くと、地球に落下するのではないかと心配する人もいるかもしれません。けれど、これまでの「第2の月」と同様、太陽の重力に捕まって再び太陽の周りを周回すると考えられています。
小惑星が地球に近づく時期の予想をモデル化
地球近傍には、現在36000個以上の小惑星が見つかっています。それほど多く、しかも今後も見つかり続けるのであれば、監視の目をくぐり抜けて地球に衝突してしまう小惑星が現れかねないのでしょうか。
NASAは、万が一衝突した場合に甚大な被害が見込まれる直径1キロ以上の地球近傍小惑星約1000個のうち、95%以上について、すでにカタログ化しています。さらに21年に新しい小惑星衝突監視アルゴリズムを開発し、「新たに発見された小惑星でも、1時間もかからずに今後 100 年間の衝突確率を確実に得られる」と報告しました。
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