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治療用ヘッドセットも実用化間近...「40ヘルツの光や音」がアルツハイマー病の進行を遅らせる可能性と、そのメカニズム
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他の周期やランダムな光の点滅ではダメ(写真はイメージです) solar22-Shutterstock
<人類はアルツハイマー病を克服できるようになる? 米MITの蔡立慧博士を中心とする研究チームが、アルツハイマー病の病態モデルのマウスを使った実験で、40ヘルツの光や音によって脳内にアミロイドβがたまりにくくなるメカニズムを解明したと発表>
アルツハイマー病は認知症の原因となる代表的な疾患です。アメリカの健康指標評価機構(Institute for Health Metrics and Evaluation)の研究では、世界の患者数は2019年時点で約5700万人と概算されており、50年には約1億5300万人になると予測されています。
認知機能障害になる原因は未だに完全には解明されていませんが、「アミロイド仮説」が有力視されています。これは、発症の約20年前から脳の細胞外に異常タンパク質であるアミロイドβがたまりはじめ、それがきっかけとなって神経細胞内に別の異常タンパク質であるリン酸化タウが塊を作って神経原線維変化を起こし、脳が萎縮するというものです。
発症すると病状は徐々に進行し、現時点では根治治療は不可能とされています。そこで、進行スピードをできるだけ遅くしてクオリティ・オブ・ライフを維持することが治療目的となっています。
近年は新薬の研究開発が世界中で精力的に進められており、日本でも23年12月に、アミロイドβを除去することで初期のアルツハイマー病の進行を遅らせる効果が期待される治療薬「レカネマブ」が保険承認されました。ただし、体重50キロの人で年間298万円になる薬価や、中程度以上に進行した人への効果が確認されていないなど、課題も残っています。
アメリカのマサチューセッツ工科大(MIT)の蔡立慧博士を中心とする研究チームは、アルツハイマー病の病態モデルのマウスの脳を40ヘルツ(1秒間に40回)周期の光や音で刺激すると、脳内にアミロイドβがたまりにくくなるメカニズムを解明したと発表しました。研究成果は総合科学学術誌「Nature」(2月28日付)に掲載されました。
光や音でレカネマブと同様の効果が得られれば、服薬よりもはるかに安価でアルツハイマー病の進行を抑制できる可能性があります。40ヘルツという数値には、どのような謎とメカニズムが隠されるのでしょうか。概観してみましょう。
アルツハイマー治療薬の歴史
アルツハイマー病は、アミロイドβとリン酸化タウが蓄積しても症状のない「プレクリニカル期」、物忘れなどの症状が出始める「軽度認知障害(MCI)」を経て発症します。発症すると改善は難しく、軽度から中度、重度へと進んでいくにつれ、日常生活に支障をきたすようになります。
症例は1906年にドイツの精神科医アロイス・アルツハイマーによって初めて報告されましたが、治療薬の歴史は浅く、世界初のアルツハイマー治療薬「ドネペジル」は1996年にアメリカ、99年に日本で承認されました。その後、日本では2011年にガランタミン、リバスチグミン、メマンチンが承認され、長らく「4剤時代」が続きました。
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