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食塩には甘味も隠されている? 「塩化物イオン」の役割と塩の味にまつわる多様な研究
ウォルク氏は「(副成分の)ミネラル分が味に与える影響」に対しても、「たとえミネラルウォーターの味の違いが分かったとしても、料理の塩味は希釈されるので、(副成分のミネラルの)微妙な風味の違いが影響を与えることはない」と説明しています。
さらに日本の研究でも、塩の種類による味の評価をした論文があります。『調理科学』に78年に掲載された「各種食塩の調理に及ぼす影響」(松本仲子氏他)では、「食塩(塩化ナトリウム99%以上、粒度500~149ミクロン80%以上)」「精製塩(同99%以上、塩基性炭酸マグネシウム0.15%、粒度500~177ミクロン85%以上)」「並塩(同95%以上)」「漬物塩(同95%以上、ミネラルやリンゴ酸やクエン酸を添加)」「赤穂の天塩(同95.15%、塩化マグネシウムが1.566%と豊富)」を選び、料理に使用して7~18人で色や味や食感の比較をしましたが有意な差は出ませんでした。
はたして塩の味は、料理に含まれてしまえば何を使っても同じなのでしょうか。日本人の繊細な舌ならば、今の科学では解明されていないわずかな味の違いも見分けられるような気もします。味覚の分子化学的な研究が進めば、他の動物と比べて複雑なヒトの味覚や民族による差異なども分かり、さらに興味深い研究成果が得られるかもしれませんね。
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