- HOME
- コラム
- 湯川鶴章のテクノロジーフィクション
- いよいよスマートスピーカー発売ラッシュ。最後に笑う…
いよいよスマートスピーカー発売ラッシュ。最後に笑うのは?
秘書になったときが普及のとき
最初は機能が限定的かもしれないが、スマートスピーカーは今後、ありとあらゆる家電機器やサービスと連携し、声でそれらの機器やサービスを操作できるようになっていく。米国では、アマゾンEchoと連携している家電機器、アプリ、サービスの数は、今年6月の時点で既に1万5000を超えている。テレビや電灯、エアコンをつけたり、リビングルームにいながらにしてガレージの中の自動車のエンジンをかけたりというようなことが、音声コマンドで可能になっている。ピザを注文したり、タクシーを呼んだりもできる。スマートスピーカーが、家電機器、アプリ、サービスの司令塔になるわけだ。
特にスマートホーム機器と呼ばれるような家電機器の司令塔になるころから、スマートスピーカーは徐々に売れ始めるのだと思う。しかし今のスマホを超えるほどの勢いで売れるようになるのは、スマートスピーカーがユーザーの「秘書」になったときだろう。
向こうから話しかけてくる
グーグルのスマートスピーカー「グーグルHome」は、最新のバージョンで「プロアクティブ(能動的)」機能を搭載してきた。聞かれたことに答えるという「受動的」対応ではなく、必要であればスピーカー側から話しかける機能だ。スピーカーのLEDの輪が光り始めれば、グーグルHomeの方から「話しかけたい」というしるし。「OKグーグル、何か用?」と聞くと、「あなたのグーグルカレンダーによると、午後2時からミーティングが入っています。ミーティングに間に合うには1時半に出発しなければならないところですが、高速道路で交通渋滞が発生しました。1時15分に出発することをお勧めします」と答えてくれたりする。スケジュールや交通状況を把握し、適切なアドバイスをする。まさに有能な秘書のようだ。
フェイスブックも、秘書のようなAIを開発中だと言われている。メッセンジャー上で友人と食事に行こうという話で盛り上がれば、自分の秘書AIと相手の秘書AIがスケジュールを調整し、レストランを予約してくれるようになるという。フェイスブックもスマートスピーカーを開発中だと噂されている。フェイスブックのスマートスピーカーに、秘書AI機能が搭載されるのは間違いないだろう。
友人たちが秘書AIでスケジュール調整しているのに、一人だけ秘書AIを使わない友人がいれば、「お前も秘書AIを使えよ」というプレッシャーがかかるに違いない。なのでこのフェーズに入れば、スマートスピーカーは一気に広がるのではないかと思う。
AppleとOpenAIの提携は何を意味するのか 2024.06.13
AIは今後も急速に進化する? 進化が減速し始めた? 2024.06.05
AI自体を製品にするな=サム・アルトマン氏からスタートアップへのアドバイス 2024.05.29
汎用AIが特化型モデルを不要に=サム・アルトマン氏最新インタビュー 2024.05.27
マーク・ザッカーバーグ氏インタビュー「なぜAIを無料公開するのか」 2024.05.14
AIエージェントの時代はどこまできているのか 2024.05.07
生成AIでネット広告はどう変わるのか 2024.04.25