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LINE、GoogleのクラウドAI戦略を比較してみた
LINEは、LINEカンファレンス2017で、はっきりとクラウドAIというキーワードを使って戦略を説明してきた。LINEのクラウドAIは、「Clova」という名称。自社でスマートスピーカーを開発しているが、それだけにとどまらず、タカラトミー、ソニー、トヨタ、ファミリーマートなどとの提携を発表している。
これらの提携先から発売になるデバイス、サービスは、「Clovaインサイド」というロゴがつけられるという。一昔前に半導体メーカーのIntelが、同社半導体を搭載しているパソコンに「Intel Inside」のロゴを表示させていたが、それと同様のブランディング戦略だ。
一方のGoogleは、GoogleのクラウドAI「Google
Assistant」をGoogleのスマートスピーカー「Google Home」に搭載するだけでなく、サードパーティにも各種デバイスやサービスを開発してもらおうと、ソフトウエア開発キットを提供し始めた。
Googleのカンファレンスでは、Google Assistant責任者のScott Huffman氏が「これから思いもつかないデバイスにGoogle Assistantが搭載されるようになるかもしれない」と語ったが、その後ろのスライドには、スマートフォン、スマートウォッチ、自動車、スマートスピーカー、テレビ、ショッピングカート、エクササイズマシン、車椅子、ベビーカー、自転車、コーヒーメーカー、ガソリンスタンド、飛行場などのアイコンが表示されていた。
既に世界中の大手メーカーがGoogle Assistant搭載のデバイスの開発を始めているようで、そのリストの中にはソニー、パナソニック、オンキョーなどの日本メーカーのロゴも見受けられた。同氏によると、今年のクリスマス商戦には、「Google Assistant Built-in」というロゴのついたデバイスが数多く発売されることになるという。ブランディングの仕方も、LINEの「Clova Inside」と同じだ。
ファミマの未来型店舗
さてサードパーティ各社は、こうしたクラウドAIを、どのように自社サービスに活かすことができるのだろうか。
枡田氏は「スマホ時代のアプリマーケットと同様に、さまざまなサービスやコンテンツが(クラウドAIに)つながっていくことができる。LINEのスマートポータルとして発展してきた国内最大級のサービス群もすべてつながってくる」と語っている。
さらに今後は「ウエアラブルデバイス、各種ディスプレイなど、あらゆるデバイスにつながっていく」としている。
現在LINEで行われている広告、マーケティング、各種マネタイゼーションが、すべてクラウドAI上でも可能になるだけでなく、新たな可能性が次々と広がってくるわけだ。
枡田氏は、「(クラウドAIが)まったく新しい、大きなエコシステムを生んでいくはず」と語っている。
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