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ベトナムと日本人

ヨシヒロミウラ|ベトナム

ベトナムの消費者行動が新型コロナ第4波でどのように変化したか?

在ベトナム日本国大使館隣にあるビンコムセンター メトロポリスにあるUFOキャッチャーコーナー。いままで新型コロナの感染拡大で、このショッピングモール内の飲食店の営業中止などが何度か余儀なくされ、飲食店以外の店舗の客足にも影響があったが、このUFOキャッチャーコーナーにはお客さんがいつもいて賑わいが見られてる。(筆者撮影)

ベトナムの新型コロナのパンデミックがベトナムの消費者に与える影響について、興味深い調査結果が発表されたので紹介します。

イギリスのデータ分析会社がベトナム人1000人を対象にアンケートで、新型コロナのパンデミックが事業運営や商業活動に与えた影響について調査しました。

消費者へどのような影響を与えたか?どのように変化したのか?

調査した会社であるYouGov は、イギリスのロンドンに本社を置き、40か国以上に拠点を置く国際的な調査およびデータ分析会社です。Real Time Omnibusというオンラインプラットフォームを通じて、ベトナムの人々がどう考えているか、そしてベトナムの消費者が新型コロナの感染拡大にどのように対応・行動しているかを調査しました。

ベトナム人は新型コロナの第四波についてどう思っているか?

今回の調査で最も注目すべき発見の1つは、ベトナム人が新型コロナの感染を「非常に怖い」と感じていることです。

2/3(66%)の人々がウイルスに感染することを「非常に怖い」と感じ、さらに1/4(25%)が「かなり怖い」と感じていると結果が出ました。合計で、ベトナム人の90%以上が新型コロナに感染することを恐れています。

なので、ベトナムの人々が家族を守るために真剣な対策を講じていることは驚くべきことではありません。最も一般的な対策は、公共の場でマスクを着用することであり、回答者の84%がこの予防策を講じています。次にそれぞれ76%の回答者が定期的な手洗い/消毒剤の使用であり、混雑した公共の場所を避けています。ソーシャルディスタンスは71%の人が少なくとも2m離れています。一方、回答者の2/3(65%)は公共交通機関を避けており、1/3(33%)は在宅勤務をしています。

また、新型コロナの蔓延を抑えるための政府の厳格な対策に対する国民の強い支持もあります。この第4波に対応して政府が何をすべきかの回答で、83%が「F1」である人々、つまり感染者と接触した人々の検疫を支持しました。また80%が、新型コロナ感染が確認された地域の検疫を支持しています。そして空港でベトナムに到着するすべての乗客を検疫することに対する強い支持があり(72%)、さらに回答者の半数(54%)が海外からのフライトを完全に停止したいと考えています。

そして新型コロナへの恐れにも関わらず、ベトナムの人々は前に3波全てで新型コロナを封じ込めたため、第4波も封じ込めることが出来るという高い確信を持っています。回答者の半数以上(54%)が「強い自信」と回答し、さらに36%が「かなりの自信」を持っています。これは、ベトナムが第4波の発生を克服できると信じている人が10人に9人いる事になります。

第4波が消費者行動をどのように変えたのが?

パンデミックにより、在宅勤務への移行が加速し、69%の人が少なくとも通常の1/2の時間、自宅で仕事をしています。

消費者のほぼ2/3(62%)が、第4波の社会隔離期間中に物資を「買いだめ」しました。

ベトナムの経済上昇見通しに目を向けると、消費者の半数(49%)が、6か月前よりも財政状況が悪化していると回答しています。

しかし、ベトナムがこの第4波を克服するという強い確信を反映して、44%は今後6か月で財政状況が改善すると予測し、さらに34%は安定化を予測しています。

全体的な個人消費は、店舗とオンラインの両方で減少しています。特に消費者の57%が支出が少ないと報告した従来の実店舗では、減少がより顕著でした。これは、オンラインでの支出が少ない53%に匹敵します。個々のカテゴリを見ると、「衣料品」に最大の減少が見られ、オンラインで58%減少し、店舗で62%減少しました。一方、最も強い増加は「食料品」で見られ、オンラインで36%増加し、店舗で38%増加しました。

社会隔離で人々は家でより多く過ごすことを余儀なくさせているので、Eコマースの増加が見られます。そこで、YouGovは消費者に彼らの好ましい支払い方法について質問をしました。結果は電子マネーが38%でトップになりました。銀行振込(23%)が2位で、3位のキャッシュオンデマンド(21%)をわずかに上回っています。

調査結果の個人的感想

この調査結果において、私も今まで肌感覚で思っていた事ですが、ベトナム人の新型コロナへの恐怖心や新型コロナの封込みへの自信などの調査結果が実際に数字と共に説明されると納得出来ます。

ワクチン接種が始まりベトナムのパンデミックは近いうちに収束へ向かうだろうと個人的に予測しています。

ベトナムのパンデミック収束後の社会がどう変わるのか? 消費者動向がコロナ前と比較してどう変化するのか?

経済に関してはマクロで考えるとコロナ禍の今も良いニュースは多く、今後のベトナム社会の変化を追うのがさらに楽しみになりました。

Vietnam Insider 2021.6.21の記事を引用・参照しています。

 

Profile

著者プロフィール
ヨシヒロミウラ

ベトナムハノイ市在住。北海道江別市出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と社会に魅了されベトナム定住。現在進行形のベトナム事情を執筆。ベトナム情報ブログ「ベトナムの日本人」と北海道江別市の情報サイト「江別市民ニュース」も運営。ベトナムハノイ市の日本食ネットスーパー「アクルヒハノイネットスーパー」応援係。えべつ観光特使として北海道江別市の納豆をベトナムへ輸出コーディネイト。ベトナムと日本・北海道を繋げる。ツイッター @yoshihiro_x

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