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ベトナムと日本人

ヨシヒロミウラ|ベトナム

新型コロナ第4波と戦闘開始したベトナム

新型コロナ収束の先進国ですが、朝の通勤ラッシュ時にはバイクが歩道に乗り上げてまで運転する激しい勢いに溢れるベトナム。歩道を歩く人が殆どいないからという理由もあるんですが。。。 (筆者撮影)

4月30日、ベトナムの保健省は新型コロナの陽性患者19人を確認したと報道がありました。

現在(2021年4月30日)のベトナムの新型コロナの感染者累計は2929人、死者は35人です。

ベトナムは欧米や日本と比較して新型コロナの陽性患者数が圧倒的に少なく、台湾と並んで新型コロナの収束に成功している国です。

街中はまだ汚いところが多いですが(失礼!)、空港や国境での感染検査と隔離の徹底、コロナ禍ではマスク・手洗い・消毒の常時徹底、そして市中感染の発生時にはカラオケ店、バー、クラブ、ゲームセンター(これは日本のゲームセンターと違い、PCがたくさんあって、そこでネットゲームが出来るお店のことです)、路上飲食店、イベントの中止、すべての学校の授業のオンライン化も徹底的に行い、新型コロナの収束に成功したという面では先進国なのです。

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スーパーに寿司や刺身コーナーが増えてきたベトナム。(筆者撮影)

日本人には伝わりにくいですが、新型コロナの抑え込み成功の理由は、政府の新型コロナ対策の挙動が早く的確で収束術に長けている事と、やはりベトナム人一人一人の新型コロナ収束に対する意識の高さが起因しています。

ベトナム人は日本人や欧米人のように感染をあえて広げるような態度をとる事を選択しません。

がっちりと市中感染を収束させてから日常を取り戻し国内経済を上昇させて来たし、その方法をこのコロナ禍の中で学び経験を積んできました。

このように新型コロナの抑え込み先進国のベトナムですが、ベトナムの新型コロナの第4波が2021年1月28日に始まり3月26日に収束した後、35日間は市中感染を抑えてきましたが、とうとうベトナムにも新型コロナの第5波がやって来てしまいました。

第4波の収束後も、空港や国境では新型コロナの陽性反応が出た外国人や海外から帰国したベトナム人が毎日のようにいたのですが、市中感染は防いできたんです。

しかしここ2週間ぐらいは周辺国のインド、カンボジア、ラオスでの感染者増化を受けて、ベトナムへの入国規制を厳しくすべきだという意見が多く出るなど、ベトナム人の間で水面下での緊張感が漂っていました。

私の職場である中学校の先生方は、5月の第1週目は期末試験があるため、すでに4月26日には、5月に新型コロナの感染拡大防止のためにハノイの小中高校は閉鎖になる事を想定した授業スケジュールを考えていた。

今まで新型コロナの感染拡大防止のために行ってきた事の経験から、今のベトナムの新型コロナの現状から新型コロナの市中感染が発生する事を予測して、今後の拡大防止策となる行動が民間レベルで自発的に行う事が出来るという訳です。

今回の市内感染発症源は日本から帰国したベトナム人

しかし今回の市中感染の原因は当初恐れていたインド、カンボジア、ラオスからのウイルスでは無く、日本からでした。

4月7日にダナン国際空港に日本から帰国したベトナム人男性(1993年生まれ)がベトジェット航空で帰国。入国直後に隔離され、3回の陽性検査を行ったがいずれも陰性。

4月21日に隔離が終了し、ホテルを出て故郷であるベトナム北部のハナム県に34人が乗るバスで帰りました。

4月22日、23日には友人や親戚らと食事をしました。帰国をお祝いする食事会だったのでしょうか。

しかし、4月24日の朝に、咳、発熱、喉の痛みがあり、検査結果で陽性反応が出てしまいました。

4月29日に保健省はこの男性の接触者を調査追跡を開始しました。

調査結果で22日と23日に一緒に食事をした人達がその後、飛行機でホーチミンへ行ったり、フンイェンへバスで行ったりする人もいて、濃厚接触者は複雑な行動していたことがわかりました。

保健省は追跡して発見したF1(濃厚接触者)を全て検査隔離した結果、4月30日現在で19人の陽性患者を確認したという事です。

VN Express2021.4.30から翻訳引用

日本国内の感染拡大がベトナムへも影響を与えている事を考えると、ベトナム在住の日本人として心苦しいものがあります。

ベトナムの新型コロナとの戦闘が今日からまた始まりました。

ベトナムでも今日から4日間のゴールデンウィークが始まったばかり(ベトナムにもゴールデンウィークがあるんですよ)。

日本でも4月25日から3度目の緊急事態宣言が始まっていますね。

ベトナム人の新型コロナの収束力は第4波を経験することで新たな学びを得てさらに強くなる事でしょう。

世界中の新型コロナウイルスの感染拡大が早く収束するように心から祈っていますし、私もベトナムで新型コロナが早く収束するために行動していきます。

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ベトナムでは猫用のバックパックに入れられて移動する猫を時々見かけます。猫を愛するベトナム人は多いですよ。
ベトナムの街で猫を見かけることはほとんど無いんですが、実はアパートや家の中にかなりいるんです。(筆者撮影)

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著者プロフィール
ヨシヒロミウラ

ベトナムハノイ市在住。北海道江別市出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と社会に魅了されベトナム定住。現在進行形のベトナム事情を執筆。ベトナム情報ブログ「ベトナムの日本人」と北海道江別市の情報サイト「江別市民ニュース」も運営。ベトナムハノイ市の日本食ネットスーパー「アクルヒハノイネットスーパー」応援係。えべつ観光特使として北海道江別市の納豆をベトナムへ輸出コーディネイト。ベトナムと日本・北海道を繋げる。ツイッター @yoshihiro_x

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