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ベトナムと日本人

ヨシヒロミウラ|ベトナム

日本人男性(54歳) ホテルで死亡後 陽性が判明 【ベトナム ハノイ】

2021年2月16日 バイク・車がまだ少ない。仕事始め前日のTòa nhà Keangnam Hà Nội(カンナムハイランドタワー)周辺 。このビルの周辺にIT系の企業が集まっています。(筆者撮影)

新型コロナの第四波がベトナムを襲っています。2月16日時点で感染者累計2311名、35名の死亡です。襲っているという割には感染者が少なくない?と日本人なら思うでしょう。

しかし、ベトナムの感染拡大予防策は厳しく、一人でも感染者が出た場所などはすぐに隔離します。

小学校で集団感染が出てしまい、その学校の小学生は旧正月中にも関わらず2週間の間小学校で暮らすことになってしまったくらい徹底しています。もちろんその間の小学生達へのケアだって徹底しています。

Trường tiểu học Xuân Phương trở thành nơi cách ly 
※ベトナム語の記事リンクです。グーグル翻訳等を使ってお読みください。

なのでベトナムにとってこの感染者累計数は少ない数字じゃないんです。

そのため、ベトナムのコロナ禍の特徴は、市中感染ゼロの期間が長く、国民や我々外国人も感染予防ルールを守りながら安心して生活できるという所です。

そんなベトナムの厳しい新型コロナ対策の中、ショッキングな事件が起こってしまいました。

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テト最終日なので、薬局やスマホショップは開店しているが。。。 (2021年2月16日 筆者撮影)

日本人男性がホテルで死亡 死後新型コロナ検査結果で陽性だった

この男性(54歳)は日本からホーチミンに入り2週間の隔離措置終了後、13日後にハノイのホテルで死亡を発見され、死後検査で陽性である事が確認されたという。ご冥福をお祈りします。

隔離終了後はそのままハノイへ飛行機で移動、ホテルに滞在したそうです。

さらに同じ日系企業で働く濃厚接触者の社員2名(ベトナム人女性24歳)(日本人男性43歳)の感染も確認されています。

死亡した男性の行動歴

在ベトナム日本国大使館からのメールには死亡した男性の行動歴も書かれています。

●本2月14日、ハノイ市疾病管理センター(CDC)は、日本国籍の男性(54歳)が新型コロナウイルスに感染していたことを公表しました。これに関連して、同センターは緊急通知を出し、特定の場所を滞在・訪問した人、特定のフライトを利用した人に対し、直ちに保健当局に連絡することを要請していますのでご注意ください(詳細は以下1参照)。
●なお、この方は、1月中旬にベトナムに入国し、ベトナム政府の規定に沿って隔離措置を終えPCR検査の結果も陰性でしたが、隔離終了後に体調を崩されてお亡くなりになり、死亡後の検査で陽性が確認されました。
●邦人の皆様におかれましては、14日間の隔離終了後の生活に当たっては、ベトナム政府が公表している集中隔離完了後のガイダンスにもご留意ください(詳細は下記2参照)。また、引き続き感染防止対策に努め、ベトナム政府やお住まいの地域の政府が発表する情報にご注意下さい。

1 ハノイ市市疾病管理センター(CDC)の緊急通知の概要は、以下のとおりです。
 次の日時に次の場所に行ったことがある人は、直ちに地元の医療ステーション又は医療センターに連絡するか、電話番号0969-082-115又は0949-396-115に電話してください
(1)IBISホテル、ホーチミン市(1月31日夜)
(2)ホーチミン市発ハノイ市行きベトナム航空VN254便(2月1日11時発13時20分着)
(3)タイホー区クアンアンのタイホー通り2号にある「サマセット・ウェストポイント・ホテル」(2月1日から13日まで)
(4)ホアンキエム区ファンチュトリン23号の「サンレッドリバー・ビル」(9階の903号室及び2階の「東京レッドグリルレストラン」(2月2日12時から13時まで)。
(5)タイホー区クアンアンのXuan Dieu通り168号にある「八十八商店レストラン」(2月3日18時から20時まで)
(6)タイホー区クアンアンのXuan Dieu通り51号にある「ラッフルズ・メディカルクリニック」(2月4日朝、2月8日)
(7)バーディン区リンランのKim Ma Thuong75号にある「とり吉(とりきち)レストラン」(2月5日19時から21時まで)

2 ベトナム政府は、関係省庁及び地方省市に対し、集中隔離完了後の管理に関するガイダンス(1月19日付文書No:425/CV-BCD)を発出しておりその、概要は以下のとおりです。
・14日間の隔離を終えた者は、その後14日間、自宅又は居住地で、健康状態について自身による経過観察を継続する。周囲の人々との接触、混雑した場所への訪問を控え、5K(当館注:マスク着用、消毒、ソーシャルディスタンスの確保、密集しない、医療申告の実施。)を実施する。
・集中隔離が実施された地域の保健当局は、その後の14日間の健康状態の経過観察・監視をするため、隔離完了者が居住する省、市の保健当局に対し、隔離完了決定直後に、隔離を完了した者の情報(少なくとも電話番号又は/及び電子メール、滞在先の住所、関連文書の写しを含む)を書面で通知する。
・隔離完了者は、集中隔離施設から自宅又は居住地に戻ってきたら、直ちに,地元の保健当局に通知し、その後の14日間の濃厚接触歴の日時記録を作成する。

2021年 2月14日 在ベトナム日本国大使館からのメールから引用

しかし確認されている行動歴は少なく、滞在先ホテル、病院と飲食店のみ。これでは接触者の特定が出来ず、感染拡大の防止をしにくい。
また、死因について、大使館からのメールによると隔離終了後に体調を崩し亡くなったと書いていて、この文面からは確かな死因の確認が不可能です。 

宿泊したホテルの部屋が滞在型の場合なら、自炊もあったかもしれませんが、ベトナムに着いたばかりで、仕事上での会食が多かった事と予想されます。会食以外にも仕事関係で多くのベトナム人や日本人に会った事でしょう。またカフェで休息をとったこともあったでしょう。

この亡くなった日本人男性からの集団感染を防止するため、16日からハノイ市内の路上食堂や、すべてのカフェ、寺院の一時閉鎖となりました。

また、旧正月前(2月1日)から始まってた学校のオンライン授業も、旧正月休み明けから28日まで再開に変更。 

ハノイ市民は感染の不安に怯えいっそうの感染予防に努めねばならず、ハノイ滞在日本人ならよく知っている和食レストランの名前が行動歴にあるため、感染が身近にある恐怖に怯えています。

ハノイではだいたい17日から学校や仕事が始まるのですが、学校や多くの飲食店などがオープン出来ないとは、大きな経済的打撃です。

亡くなった男性に非があるわけではありません。

そのためにも今後ベトナムにおいて外国人である我々日本人は、新型コロナの感染を広げるような事をしてはいけないでしょう。

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開店出来ないカフェ。(2021年2月16日 筆者撮影)

日本人を対象に無作為に検査実施

また、2021年2月16日に在ベトナム日本国大使館から届いたメールによると、ハノイ市は日本人が多い地域で無作為に検査を実施するとの事。

【ポイント】
●ハノイ市は、市中感染が起きている可能性が高いため、追跡、ゾーニング及びF1からF3に対する検査を迅速に行う,工業団地や外国人専門家の多い地域で無作為に検査を行う等の方針を示しました。(詳細は、以下1を参照ください。)
●邦人のみなさまにおかれましては,万が一,検査の対象になった場合等には,当局の指示にしたがって,落ち着いて行動してください。また,指定病院への集団隔離の対象となった場合には,大使館(+84-24-3846-3000、ryouji32@ha.mofa.go.jp)までご連絡ください。必要に応じ,当局への申入れ等,御相談を承ります。
●邦人のみなさまにおかれては,引き続きベトナム政府やお住まいの地域の政府が発表する情報にご注意下さい。

1 2月15日午後に行われたハノイ市COVID-19対策指導委員会会合では,新たに以下の方針が示されました。
(1)2月16日0時から路上のカフェ、お茶屋及び歴史的遺跡の営業を一時停止する。
(2)市内の各学校では、2月28日まで生徒の登校を止め、オンライン授業を行って学習進度を確保することとする。
(3)ハノイ市疾病管理センター(CDC)によれば、感染者は2月2日から発症していた可能性があり、市中感染が起きている可能性が高い。そのため、各地区は追跡、ゾーニングを迅速に行い、F1からF3に対して検査を行う。
(4)ハノイ市人民委員会は、同市疾病管理センター(CDC)に対して、工業団地(特に感染者が発生している省市から戻ってきた人がいる工業団地)や、外国人専門家の勤務先などで,無作為に検査を実施することを指示した。
(5)感染地域からハノイ市に戻ってきた者,特にハイズオン省Cam Giang県から戻ってきた者に対しては,直ちに検体採取を行う。これらの者は、不要不急の外出を制限し、健康観察を継続的に行う。

(連絡先)
在ベトナム日本国大使館 電話番号:+84-24-3846-3000

2021年2月16日 在ベトナム日本国大使館のメールから引用

本当により早い収束を祈るばかりです。

ベトナムコロナ禍の現在の状況です。こちらもお読みください。


ベトナムハノイのコロナ禍の旧正月

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2021年2月12日 ハノイのtết(テト 旧正月)の初日。普段はバイクと車が多く、路上食堂もあり賑わっている道ですが、旧正月の間は日本のシャッター街のように静か。 (筆者のアパートの周辺で撮影)  

 

Profile

著者プロフィール
ヨシヒロミウラ

ベトナムハノイ市在住。北海道江別市出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と社会に魅了されベトナム定住。現在進行形のベトナム事情を執筆。ベトナム情報ブログ「ベトナムの日本人」と北海道江別市の情報サイト「江別市民ニュース」も運営。ベトナムハノイ市の日本食ネットスーパー「アクルヒハノイネットスーパー」応援係。えべつ観光特使として北海道江別市の納豆をベトナムへ輸出コーディネイト。ベトナムと日本・北海道を繋げる。ツイッター @yoshihiro_x

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