ベトナムと日本人
ベトナムのクリスマスムードは新年を迎えても終わらない!?
ベトナムのクリスマスはギリギリにやってくる!という記事を2020年11月に書きましたが、この時はまだベトナムの街にクリスマスムードがありませんでした。
ベトナムのクリスマスムードはギリギリにやって来る!(ヨシヒロミウラ)https://t.co/CKQzUhM1wb
-- World Voice (@WorldVoiceJapan) December 1, 2020
しかし、12月の2週目ぐらいまでには街にクリスマスムードが生まれます。ポツポツとクリスマスの飾りを売る短期的な店がオープンしたり、雑貨店や文房具店の店先にクリスマスツリーやクリスマスツリーの飾りやサンタクロースのコスプレ衣装などを売っています。ショッピングモールや大型マンション・高層ビルのエントランスには大きなクリスマスツリーが飾られます。また、キリスト教の教会にはイルミネーションが飾られとてもきれいです。
12月2週目ぐらいに現れたクリスマスの飾り専門店 (筆者撮影)
オフィスビルのエントランスにあるクリスマスツリー (筆者撮影)
ショッピングモールの入口にあるクリスマスツリー。ここにはユニクロのハノイ一号店もあります。(筆者撮影)
マンションのエントランスにあるクリスマスツリー (筆者撮影)
以前、日本へ留学した私の生徒がクリスマスの時に、「先生、クリスマスに恋人とキリスト教の教会へ行ったんですが、イルミネーションがなくてとても寂しかったです。」とメールで伝えてきました。ベトナムでは、恋人たちがキリスト教徒じゃなくてもクリスマスには教会のイルミネーションがきれいなので、ミサに参加しなくても教会の前を散歩するのがクリスマスの風景の一つです。しかし、日本ではクリスマスの時に観光用にイルミネーションをするキリスト教の教会は少ないため、せっかく恋人と教会へロマンチックなムードを楽しむために行ったのにイルミネーションが無くてがっかりしたという訳です。
ベトナムでは日本のように街全体がクリスマスムードに包まれる事はありません。街頭宣伝のために爆音で音楽を鳴らすことが多いんですが、クリスマスソングを流すところはほとんどなく、通常通りにVina House(ベトナム流のEDM)を流す店がほとんど。また、カフェなどの店内でクリスマスソングが流れても、ベトナムのミュージシャンは、日本のミュージシャンの様にオリジナルのクリスマスソングを作る事は無く、マライヤキャリーやWham!のクリスマスソング等が流れます。
しかし、私がハノイに来た2017年と比べてクリスマスムードは年々高まってきていると感じますから、クリスマスを楽しみたいベトナム人は若者を中心に増えているのでしょう。来年以降のベトナム人のクリスマスの楽しみ方がどうなっていくかは、ベトナム社会の変化を追う楽しみの一つです。
旧市街のHàng Mã(ハンマー)通りはクリスマスの飾りを買う買う人々で賑わいます
また、様々な商品がジャンル事に分けられて専門店が並ぶ旧市街の中で、Hàng Mã(ハンマー)通りはクリスマスの飾りを販売する店が並んでいます。ここはクリスマスグッズを買う人々やクリスマスムードを楽しみたい若者たちの散歩やデートコースとして賑わっています。
庶民的なクリスマスショップ。ベトナムではクリスマスツリーよりサンタのコスプレ服の方が人気がありそうです。(筆者撮影)
(筆者撮影)
お洒落なクリスマスグッズのショップもオープン
本物のクリスマスツリーを販売するお洒落なクリスマスショップ (筆者撮影)
キッチン用品はヨーロッパ・日本からの輸入品です。(筆者撮影)
ハンマー通りや街にポツポツとあるクリスマスグッズの店は、一般的なクリスマスの飾りを販売していいますが、今年はお洒落でこだわったクリスマスグッズを販売する専門店もオープンしました。家の中のクリスマスの飾りつけにお金をかけてる家庭も出て来てという事です。本物のクリスマスツリーや枝を販売し、ヨーロッパや日本から輸入したクリスマスを盛り上げる飾りや雑貨・食器類を販売しています。一般的なクリスマスグッズの店より高価ですが、お客さんは途切れることなく入店し、小さい店内ですが、賑わっていました。
12月25日が過ぎてもクリスマスの飾りやイルミネーションはそのまま
ベトナムに多い映画館CGVにあったクリスマスと新年兼用の写真撮影用のポスター。 (筆者撮影)
ベトナムのクリスマスはギリギリにやって来るけど、終わるのは遅い。この流れに慣れた筆者はあわただしく新年の飾りつけに変えなければいけない日本のクリスマスより街の人々の動きがゆっくりで心地よく感じます。2021年が過ぎてもクリスマスツリーの撤去はされません。年が明けても撤去しないのはさすがに遅すぎますか(笑)? でもベトナムは旧暦なので、新年が来るのは2021年の2月12日なので、新暦の新年も一応祝日ですが、これはベトナム人にとっては普通の祝日の一つといった感覚です。
映画館の飾りつけでは、はっきりとクリスマスと新年の両方向けに作られたポスターも発見しました。「メリークリスマス」と「ハッピーニューイヤー」の両方が書かれています。これを見てやはりベトナムではクリスマスと新暦の新年は欧米からやって来た輸入文化として一括りにされていると再確認し、そして実感したしだいです。
著者プロフィール
- ヨシヒロミウラ
ベトナムハノイ市在住。北海道江別市出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と社会に魅了されベトナム定住。現在進行形のベトナム事情を執筆。ベトナム情報ブログ「ベトナムの日本人」と北海道江別市の情報サイト「江別市民ニュース」も運営。ベトナムハノイ市の日本食ネットスーパー「アクルヒハノイネットスーパー」応援係。えべつ観光特使として北海道江別市の納豆をベトナムへ輸出コーディネイト。ベトナムと日本・北海道を繋げる。ツイッター @yoshihiro_x