ベトナムと日本人
安全じゃないから? ハノイの中国製都市鉄道は完成しても運行できない
評判がいい日本が建設したホーチミン市都市鉄道
2020年10月13日、ホーチミンに日本製の電車が到着したことがベトナムで大きな話題になっています。
ベトナム ホーチミン 都市鉄道の日本製車両到着 来年末開業へ #nhk_news https://t.co/M7jzWNJmYt
-- NHKニュース (@nhk_news) October 13, 2020
ホーチミンでは都市鉄道(メトロ)を建設中です。
そして全て完成すると6路線からなるホーチミン市都市鉄道の1号線(全14駅)と2号線(全19駅)部分の鉄道の建設工事を日本企業が受注していて、今回ベトナムに到着した車両は日立製作所製で、2021年末に運行予定の1号線用車両です。
また、この都市鉄道の運営会社を東京メトロが支援を行い、運営会社の規定やマニュアル作り、社内研修の支援も行うなど、建設から運営までこのホーチミンの都市鉄道1号線と2号線はまさに日本の鉄道技術で作られていて、その1号線部分の開通が近いという事でとても楽しみです(延期が無い事を祈っています)。
しかしあまり報じられていないのは、あと4路線の建設予定があり、その建設にいくつかの国が名乗りを上げているという事です。
現段階ですでにロシアは建築費用をロシアが負担する形で建設案作成の許可を得たり、ドイツは建築の提案・韓国建築への参加の意向を表明するなど、今後は路線ごとに異なる国が都市鉄道を建設する可能性が高く、すべて完成すると国際色がある珍しい都市鉄道になりそうです。
私は2017年にホーチミンへ行った時に、ホーチミンの都市鉄道の建設現場を見ました。
日本のJICAの協力で工事が進んでいる事を伝える大きな看板もありました。
2017年12月ホーチミン市都市鉄道建設現場 VIETNAM JAPANと大きく書かれています。 (筆者撮影)
ハノイでも都市鉄道を建築中ですが。。。
しかし、ベトナムの都市鉄道はホーチミンだけじゃなく、ハノイでも建設が進んでいるんですよ。
しかもホーチミンより着工時期は早かったんです。
中国とフランスがその建設を行っています。
2010年には3号線をフランスが建設を開始、2011年には中国がODAにより2a号線を建設開始しています。
しかしこの2a号線、現時点では2019年4月に運行予定でしたが、建設中の死亡事故やベトナムの品質基準の要件等が満たされていないなど様々な理由からこれまで運行が何度も延期され、いまだ運行していません。
BBCベトナムの記事(ベトナム語)に、運行が延期されている理由が書かれています。
2020年10月18日に3号線用の車両がフランスからベトナムへ到着しました。フランスが建設中のハノイ市都市鉄道3号線は2023年に完成予定です。
ハノイ:メトロ3号線、最初の4両がデポに到着 [経済] https://t.co/S6yR2rmScC
-- VIETJOベトナムニュース (@VIET_JO) October 20, 2020
Hanoi sets in train the motions for second metro route https://t.co/reDCOwC9CN
-- VnExpress (@vietnamenglish) October 20, 2020
3号線はハノイ駅からニョン駅まであり、在ベトナム日本国大使や日本人街があるキンマ駅やまた駐在の日本人家族が多く住んでいるハノイ国家大学駅を含んでいます。地下部分が4kmもあるそうで、とても楽しみ。
3号線車両は2020年10月18日にはフランスから鉄道車両がハイフォンに当到着しました。
これも日本の車両が到着した時と同様に大きなニュースになっています。
また、ハノイも複数路線の建築計画があり、全10路線、全路線完成は2050年となっています。まだまだ先ですね(笑)。
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著者プロフィール
- ヨシヒロミウラ
ベトナムハノイ市在住。北海道江別市出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と社会に魅了されベトナム定住。現在進行形のベトナム事情を執筆。ベトナム情報ブログ「ベトナムの日本人」と北海道江別市の情報サイト「江別市民ニュース」も運営。ベトナムハノイ市の日本食ネットスーパー「アクルヒハノイネットスーパー」応援係。えべつ観光特使として北海道江別市の納豆をベトナムへ輸出コーディネイト。ベトナムと日本・北海道を繋げる。ツイッター @yoshihiro_x