ベトナムと日本人
ベトナムの中学校・高校の日本語教育の実態
ベトナムの中学・高校の日本語クラスの実態はどうなのか?
おにぎりづくり体験の授業中の高校生。みんな笑顔で清々しく元気です。(2018年 筆者撮影)
実際ベトナムの中学・高校の日本語クラスの実態はどうなのか?結論から言うと授業体制はとても整っているが、英語などの他の外国語授業と同じように、よく勉強している生徒がいれば、そうじゃない生徒もいます。ハノイの各学校の日本語クラス人数は1クラスおよそ40名。学校によりますが、1学年に1-2クラスあります。男子と女子の比率はほぼ半数です。生徒達が日本語授業を選択した理由は、日本はベトナム人にとても信用がある国で、日本から学べる事が多く、そして楽しいポップカルチャーが多いため日本に行きたい、日本語を話したい、日本について知りたいと思っているからです。
そういう生徒たちはやはり元々日本のアニメや漫画・音楽・ゲームが「大好き」な子たちが多いです。「大好き」というのがポイントで、ベトナムでは日本のアニメ、名探偵コナン・ドラえもん・ワンピース・NARUTO・クレヨンしんちゃん等が、子供たちみんなに国民的な人気なんです。そんな中からさらに日本の進んだ技術や日本人の几帳面な態度、アニメ・漫画・音楽・ゲームなどの日本文化・日本のポップカルチャーに夢中な子供達が日本語授業を選択するというわけです。
あとは親が「日本語が出来た方が将来いいだろう」と考えて子供を日本語クラスに入れる場合も多い。ただ、こういう子は日本語にあまり興味がない子が多くて、日本語の勉強に熱心じゃない子が多いから、教えにくいのが難点。生徒をおちこぼれないようによく目をかけていかなければなりません。
生徒たちは皆授業中とても静かで真面目に授業を受けますが、日本語会話や日本文化紹介など交流授業になると、途端にめちゃめちゃ元気になります。ギャップが凄いですよ。ベトナムの子供たちは日本の子供に比べてとても元気でハジけています。教科書は中学校6年から9年生まで(ベトナムの中学校は4年間)、高校は10年生から12年生(3年間)の7年間あります。12年生まで勉強すると日本語能力試験(JLPT)4級(N4)ぐらいの日本語力がつくようになっている。
高校でも日本語授業を選択した学生は半数ぐらいは大学の日本語学科に進学したり、日本の大学へ留学します。ただ、日本の大学へ留学するにはN4の学力では足りないため、留学を考えている生徒は放課後日本語センターへ通いさらに勉強をするんです。また、学校に日本語クラスが無いから日本語センターで自主的に日本語を勉強している学生も多いです。日本人が思っている以上に日本語の人気はありますよ。カフェ等で日本語の勉強をしている若者も時々見かけます。実感としてはまだまだ日本語学習が魅力的と思っているベトナム人の若者は多いです。
日本は今国内で様々な問題を抱えていますが、ベトナムの中学・高校生のような日本語・日本文化に興味がある若者たちが、ポジティブな関係で繋がれるような日本発信の文化的なムーブメントや取り組みが必要と思います。
また、最近は技能実習生として日本へ行きたいベトナム人もますます増えて、技能実習生送り出しセンターで寮生活をしながら日本語を勉強するベトナム人も増えていますが、これに関しては別の記事で書きたいと思っています。
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-- World Voice (@WorldVoiceJapan) February 1, 2021
著者プロフィール
- ヨシヒロミウラ
ベトナムハノイ市在住。北海道江別市出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と社会に魅了されベトナム定住。現在進行形のベトナム事情を執筆。ベトナム情報ブログ「ベトナムの日本人」と北海道江別市の情報サイト「江別市民ニュース」も運営。ベトナムハノイ市の日本食ネットスーパー「アクルヒハノイネットスーパー」応援係。えべつ観光特使として北海道江別市の納豆をベトナムへ輸出コーディネイト。ベトナムと日本・北海道を繋げる。ツイッター @yoshihiro_x