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スタートアップ超大国 インド~ベンガルールからの現地ブログ~

永田賢|インド

モディ首相による2021年インド独立記念日演説 [速報ベース]

小さな政府への道筋

私たちは、政府の行政サービスが最後の一人までシームレスに届くことを目指します。国の全面的な発展のためには、政府や政府の手続きが人々の生活に不必要に干渉することをなくすことが不可欠です。

以前は、政府が国家運営の舵取りを担っていました。当時はそれが必要だったのかもしれません。

しかし、今は時代が変わっています。この7年間、不必要な法律や手続きの網から人々を解放するための努力がなされてきており、いくつかの不要な法律が廃止されました。

エネルギーの自立

今日、私たちは、独立から100年を迎える前に、インドをエネルギー面で自立させることを誓わなければなりません。インドでは、モビリティの電動化が進んでおり、2030年までに二酸化炭素排出量をゼロにすることを目指して、インド鉄道の100%電化が進められています。

また、私は気候変動の観点から、「国家水素ミッション」を発表します。私たちは、インドをグリーン水素の生産と輸出のハブにしなければなりません。

2030年までに450GWの再生可能エネルギーを導入するという目標を掲げます。

スタートアップの振興

今日、Tier1からTier3の町では、様々な分野でいくつかのスタートアップ企業が誕生しています。これらの企業は富の創造者となり、Covidの大流行にもかかわらず、その市場価値は上昇しています。

私たちはスタートアップ勃興の妨げとなる煩雑な手続きを取り除きました。

Make in Indiaの深化

インドは世界市場を獲得することを夢見るべきです。

かつて我々は80億ドル相当の携帯電話を輸入していました。しかし、今日、私たちは30億ドルに相当する携帯電話を世界に輸出しています。インドで作られた商品が最高の品質であることを保証する必要があります。

これらのMade in India製品は、私たちのアイデンティティとなり、インドを世界へと知らしめるアンバサダーとなるのです。

女性の活躍推進

女子にもSainikSchool(軍事学校)の門下を開きます。

女性自助グループの製品のための電子商取引プラットフォームも開発します。

貧困の撲滅

栄養失調と微量栄養素の不足が、貧しい子供たちの成長に影響を与えています。

このため、政府のさまざまな制度を通じて貧困層に提供される米の供給体制を強化することにしました。

Jan Ausadhi Yojana政策のもと、貧しい人々や困っている人々が手頃な価格で医薬品を手に入れることができるようになりました。75,000以上のヘルス&ウェルネスセンターが建設され、村のブロックレベルでの病院のネットワーク化を進めています。

教育の強化

インドの「新教育政策」は、貧困と戦うための手段であり、地域言語での教育を奨励することに重点を置いています。

スポーツ振興

かつて、スポーツはあまり主流とはみなされていない時代がありました。親は子供たちに「遊んでいると人生を台無しにするぞ!」と言っていたものです。

しかし今では、スポーツやフィットネスに対する意識が国内で高まってきており、今回のオリンピックでもそれを改めて実感できました。

外敵への警告

サージカルストライク(テロリスト拠点へのピンポイント攻撃)や空爆を行うことで、新しいインドが出現したというメッセージを敵に与えています。

また、インドは厳しい決断を下すことができるということも伝えています。


演説を聞いてみての所感

次の100周年に向けた国威掲揚演説:あらゆる政策重点ポイントを網羅しつつ、実績をアピールする体裁

去年から言われている「自立したインド」を更に深めて所与の問題に対して継続的なアプローチを続けていく方針:農村、格差是正、Make in India、教育、貧困撲滅、女性の社会進出、ジャンムカシミール問題等

新しいキーワード(重点項目)の登場:スタートアップ、エネルギー自立政策

このエネルギー政策については、過去4回で「Climate Change」等で言及は少しされていましたが、ここまで具体的かつ大々的に方針として示されたのは、私の過去4回分のレポートでは初めてとなりそうです。

国境問題への強いメッセージ:過去は膨張主義、覇権主義への反対という形での言及でしたが、今年は短文ながら強いメッセージとなったように感じられました。

恐らくメッセージとしてはヒマラヤ山脈問題でもめている中国とジャンムカシミール問題でもめているパキスタンを強く意識したような体裁なのかと想像します。

以上が独立記念日演説の速報となります。

今年で5回分の演説まとめがたまったので、折を見て過去数年でどのように演説内容が変遷していったのかまとめてみます!

 

Profile

著者プロフィール
永田賢

Sagri Bengaluru Private Limited, Chief Strategy Officer。 大学卒業後、保険会社、人材系ベンチャー、実家の介護事業とキャリアを重ね、2017年7月に、海外でのタフなキャリアパスを求めてYusen Logistics India Pvt. Ltdのベンガルール支店に現地採用社員として着任。 現地での日系企業営業の傍ら、ベンガルールを中心としたスタートアップに魅せられ独自にネットワークを構築。2019年4月から日系アグリテックのSAgri株式会社インド法人立ち上げに参画、2度目のベンガルール赴任中。

Linkedin: https://www.linkedin.com/in/satoshi-nagata-42177948/

Twitter: @osada_ken

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