魅惑の摩天楼、香港フォト通信
香港のソウルフード! 香港ローストが乗ったぶっかけ飯を食べよう
●軒先からぶら下がる鴨やガチョウをご飯の上に、美味い!
混沌とした色彩豊かな香港の街中でガチョウや鴨が軒先からつるされている風景。
超高層ビルの狭間にユーモラスでキッチュな個店がある様は可愛らしさ満々。
旅行者なら思わず『まさに香港!』と記録に収めたくなることでしょう。
香港を代表するB級メシというと、日本在住の方が真っ先に思いつくのはワンタン麺かな。
広東語名で焼味(シュウメイ)と呼ばれるローストしたお肉をご飯の上に乗せたぶっかけ飯は、
日本ではあまり馴染みがないと思う。
香港人のソウルフードと呼んでもいいほどの大衆ごはん。
「魅惑の摩天楼、香港フォト通信」第11回目は香港のB級グルメの決定版、ぶっかけ飯をご紹介。
ぶっかけ飯とは軒先にぶら下がっているお肉(鶏、鴨、ガチョウ、叉焼など)をぶつ切りにして
ご飯の上に乗せてたれをかけたもの。聞いただけで美味しそうでしょう?
ぶらさがっている肉をあれと指差して持ち帰り用の容器に入れてもらって、
ぶっかけメシが入ったビニール袋を持ち歩いている人々の姿は香港では何処でも目にする。
がっつり系なんで男性もおなかが一杯に。
店にもよるけれど大体一人前、安いところで400円前後、高いところは1000円ぐらい。
●ガチョウと鴨が一押し
色々と種類があるぶっかけ飯のなかでも、鴨とガチョウは是非お試しあれ。
鴨もガチョウも日本の家庭では頻繁に食卓にあがる食材ではない。
鴨南蛮があるから日本では鴨のほうが多少馴染みがあるのでしょうかね?
しかしながらガチョウの焼き物は食べることは少ないと思う。
こちら香港ではごく普通の一般的な食材である。
鴨とガチョウの焼き物って見た目はそっくり。
食感は似ているけれどガチョウのほうがジューシー。値段もガチョウのほうがお高め。
鴨とガチョウのフォアグラではガチョウのほうが高級品とされている。
でもね、どちらも美味しい。
photo by marie
●日本とは違う香港の叉焼
鴨とガチョウの他にも、香港の叉焼も試して欲しい一品!
日本のラーメンに乗っている叉焼とは全くの別物。↑の写真を見ても分かるとおり
日本の叉焼は薄茶色、香港叉焼はかなり赤い。それでいて甘くて香辛料が効いている。
日本のさっぱり塩系の叉焼は薄切りにして練りからしをかけていただく。
香港では甘じょっぱい叉焼をぶつ切りにして頂く。
●ミシュランを取る香港ローストのお店も
地元密着型の庶民の味方のローストのお店でも、なかにはミシュランの星を取る名店もある。
ミシュランの一つ星を取り続けているぶっかけ飯の有名店を下に一つ下に書いておこうと思う。
美味しいガチョウのロースト乗せご飯が食べたいって時、私はここって決めている。
▼一楽焼鵝(Yat Lok)
住所:Central, Stanley St, 34-38、G/F
ここは本当に有名、皆さんガチョウのロースト目当てでやってくる。
流石にお肉もジューシー。ガチョウのローストはご飯のうえに乗っけて
ぶっかけ飯にして食べるのは勿論のこと
スープの入った麺の上に乗せてもこれまた美味しい。
予約できないので早いもん順、香港のランチタイムは午後1時からなので
狙うのだったら午前11時半ごろまたは午後2時半過ぎ。
ミシュラン香港 2021年度 星を取ったレストランリストはこちら。
一楽焼鵝(Yat Lok)も 一つ星獲得!!
●ミシュランの呪いとは
ミシュランの星を取るのは最高の名誉であるはずが、ちと香港では事情が違う場合がある。
それは賞の受賞 = 家賃の値上げ を意味するからだ。
これはミシュランの呪いと香港では呼ばれている。
香港の家賃の高さは世界で一番といわれている。潤沢な後ろ盾のあるフレンチの名店ならともかく
細々と単価の低いローストを売っている小さな個店はたまったものではない。
実際この一楽焼鵝(Yat Lok)は2012年度にミシュランの星を辞退している。
賞を取ろうもんなら大家がここぞとばかり家賃の値上げを吹っかけてくるからだ。
本当に大変だったんだろうと思う。その後ミシュランには復帰している。
心から応援したいお店だ。
■ミシュランの呪い(South China Morning Post)
色々と小さな個店を取り巻く状況は厳しい香港だけれど、
香港ローストが無い香港なんて考えられないからみんな買い支えている。
ジューシーな肉をほおばれば病み付きになるから。
きっと日本に戻ったときに恋しくなる味って、
香港のソウルフードのロースト肉のぶっかけ飯なんじゃないかな?
著者プロフィール
- マリエ
香港在住の雑貨が大好きなフォトグラファー。大学卒業後、自動車会社、政府機関、外資企業にて広報担当。夫の転勤で香港に移住後、カメラに興味を持ち、日本人、外国人フォトグラファーに師事。現在、雑貨を可愛く撮るカメラ教室「Zakka Styling」を主宰。同時に家族写真、ロケーションフォトの依頼もこなす日々。インスタグラムはこちら。