魅惑の摩天楼、香港フォト通信
状況が急変してきた香港、今年のクリスマスはどうなる?
去年の6月から始まったデモで2019年は毎日どこかで催涙弾がぶっ放されていた。
2019年のクリスマスも街のあちこちに武装警察が立ち、なんとも落ち着かないクリスマスで、来年こそは穏やかなクリスマスになるようにと祈っていた。
年が明けて1月、今度は武漢で原因不明の第二のSARSらしきウイルスが猛威をふるっていると囁かれはじめた。地理的な関係から香港に飛び火するのは時間の問題だろうと思っていたら、やっぱり来た。アジアだけにとどまるだろうと思っていたら、あれよあれよという間に世界中に広がり、まさかアメリカが世界最大の患者数を出す国になるとは予想だにしなかった。
香港も状況がくるくると変化するのだけれど、これを書いている時点(11月22日)で香港も再び状況がやや悪くなりだした。
■日本領事館からの香港についてのお知らせ
海外在住の日本人は日本大使館または領事館に在住届けを出す。そして重要なお知らせの類は日本領事館からメールが来る。おそらく領事館からのアナウンス類を日本在住者の方は目にする機会も無いと思うし、今の香港の状況について一番わかりやすく包括的にまとめられているのが領事館のメールと思うのでここに貼ろうと思う。
以下在香港日本領事館からの11月22日付けのお知らせ ↓
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香港内の感染者がここ数日二桁台の増加傾向を示していること等を受け、香港政府は20日から22日にかけて以下のとおり規制措置の一部強化を発表したところ、お知らせします。香港政府は、あらためて不要不急の活動を自粛し外出をできるだけ控えるよう呼びかけており、また、今後の政府の業務体制縮小にも言及しています。邦人の皆さまにおかれては、これまで以上に感染予防にお気をつけ下さい。
1 23日(月)から14日間、小学校1年から3年、幼稚園の授業を停止する。
2 22日(日)から26日(木)まで、以下の措置を強化する。
○飲食店やバー・ナイトクラブにおいてライブパフォーマンスの実施やダンスを禁止。
○パーティールームは閉鎖。
3 強制ウイルス検査を以下のとおり実施する。
(1)有症者、タクシー運転手、老人ホーム職員の3グループに対して強制ウイルス検査を実施。
(2)また、最近のクラスター発生を受け、11月1日から21日までの間に以下のリンク先のダンスクラブ・施設を訪れた者は、定められた期日内に強制ウイルス検査を受診・香港政府担当部門への報告・提出の義務が定められる。
○防疫関係
1 レストラン等飲食店:午前0時~午前5時の店内飲食禁止。1卓4名まで(バー、ナイトクラブは2名まで)。【~11月26日(木)】
2 ゲームセンター、浴場、ジム、ボーリングやビリヤード等のアミューズメント施設、映画館等のエンターテイメント施設、パーティルーム、エステ・ネイルサロン等、クラブハウス、ナイトクラブ等、カラオケ、麻雀、スポーツ施設、プール:条件付きで営業【~11月26日(木)】
3 マスク着用義務:屋内外公共場所、交通機関【~11月26日(木)】
4 集団制限:公共の場所で4人まで【~11月26日(木)】
○出入境関係
1 海外から香港へ入境:香港居民(香港IDもしくは査証保有者)のみ入境可。ただし、入境後14日間の強制検疫。【~12/31(木)】
2 中国本土、マカオ、台湾から香港への入境:香港居民、非香港居民ともに入境可。ただし、入境後14日間の強制検疫。なお、11月23日からは、香港居民であり、且つ過去14日以内に香港、広東省、マカオ以外の滞在歴がなく、事前の申請や核酸検査陰性証明の取得等の手続きを実施した場合は、入境後14日間の強制検疫免除。【~12/31(木)】
3 マカオへの入境:マカオ居民(マカオID所持者のみ)、事前に免除許可を得た上で、連続して14日以上中国本土に滞在した後中国本土からマカオに入境するブルーカード保持者等の外国人(12月1日から)及び香港永久ID保持者のみ入境可。ただし、入境後14日間の医学観察と事前の核酸検査陰性証明の取得が必要。【無期限】
4 香港国際空港は、同一航空券での搭乗に限りトランジット可。ただし、中国本土行きのトランジットは不可。マカオ国際空港はトランジットサービス停止。【無期限】
◆◆◆問い合わせ先◆◆◆
『 在香港日本国総領事館(領事部)』
電話:2522-1184 国外からは(地域番号852) 2522-1184
住所:46/F, One Exchange Square, 8 Connaught Place, Central, Hong Kong
香港中環康楽広場8号交易広場第一座46楼
ホームページ: https://www.hk.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
※当館は緊急と判断される事態には土日休日を含め24時間対応しますので、万一、新型コロナウイルス感染症に感染と診断されるなどの場合には代表電話にご連絡ください。
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以上。
■それで香港の今年のクリスマスの楽しみ方ってどうなるの?
通常この時期は多くの人が旅行に出かけるのだけれど、香港に戻ってきたら14日間のホテルでの強制隔離が義務付けられているので旅行の夢は絶たれてしまった。ビジネスも含めて移動が出来ない。
そうなると香港のクリスマスの楽しみ方って、ホテルでのステイケーションで旅行気分を味わう、1卓4人までしか座れないけれどレストランでの食事を楽しむ、香港はロックダウンは無いのでショッピングモールなどでクリスマス気分を味わう、自宅で篭って祝う、こんなところかな。
(去年のホテルでのクリスマスのテーブル、今年は1卓4人までなので、5人以上の大勢でわいわいクリスマスランチやディナーをつつく姿は今年は見ることは出来ない、筆者撮影)
旅行にいけない分、現在、各ホテル、ステーケーションのプロモーションが盛んだ。
ワンちゃんとのステイプランを打ち出しているホテルも有り盛況である。
そしてステーケーションの人たちは14日間隔離の方たちと鉢合わせしたくない理由も有り、海外からの帰国者は香港政府指定のホテルの中から選んでステイするという住み分けが出来ている。
今これを書いている時点(11月22日)ではレストランには人が結構入っているしホテルのアフタヌーンティーは盛況だし、人気レストランは予約がなかなか取れないところも多い。
■でも状況悪化で一変するかも
と、書いてきたけれど、これを投稿後、状況が悪化するかもしれない事をお断りしておく。
ここ2~3日の一日のコロナ確定者がじわじわと増えてきていて第4波突入かと言われ出した。
以下は過去一週間の一日のコロナ確定者。
11/14 8
11/15 14
11/16 8
11/17 4
11/18 9
11/19 12
11/20 26
11/21 43
11/22 68
三ケタ台に突入すると夜のレストランの営業が中止されるかもしれないし、ステイケーションの数も激減するかもしれない。
しかしながら欧米、日本に比べればコロナ確定者の数は俄然少ない。
■残念!香港⇔シンガポールのトラベルバブル延期へ
前回の投稿で触れた香港⇔シンガポールの間の相互一般渡航(14日間の隔離免除)が今月22日からスタート予定だったが香港の感染者拡大で延期された。旅行業界では期待されていた動きだっただけに残念! なんでバブルと呼ばれるのかわからないけれど、バブルははじけて萎んでしまった。
https://www.traicy.com/posts/20201122189416/
(筆者撮影)
■SARSを経験しているからこそのコロナ意識高い系香港人
感染拡大と言いつつも香港はコロナ封じ込めにかなり成功している地域の一つだと思う。
2003年のSARSを経験しているがゆえに、あの二の舞は御免だと香港人のコロナ意識は高い。武漢の状況が伝わるやわるやいなや真っ先に市民はマスクを買いに走った。SARSの時のマスクは身を守るものという経験がそうさせた。
逆に日本の友人知人に「なんか第二のSARSって言われている謎の肺炎が流行ってるんだよ、もう直ぐ日本にも入ってくるからマスクを買っといたほうがいいよ」と言っても実感が無いのかポカンとされた。あの時SARSは日本に入ってこなかったからね。
手は徹底的に洗う予防習慣もSARSで根付いた。コロナが流行り出してからマスク着用が義務付けられているが(マスクをしなかった場合の罰金は5000香港ドル(約7万円)、文句を言う人は皆無で着用率100パーセント。ちょっと苦しいからとマスクを下げようもんなら「マスク上げて、マスク上げろ」と通行人またはお店の人が血相を変えて注意しに来る。
ドラッグストア、マーケット、レストランなどの入り口で体温チェックがある。そしていたるところに消毒液が置かれ、絶えず皆さん手を消毒している。
ということで、12月はどんな感じになるか状況がくるくる変わっているので見えにくいが、穏やかな感染者の少ないクリスマスであって欲しい。大きな動きが有り次第また第二弾を書くとして、とりあえずは11月22日に時点での現状をざっとまとめてみた。
著者プロフィール
- マリエ
香港在住の雑貨が大好きなフォトグラファー。大学卒業後、自動車会社、政府機関、外資企業にて広報担当。夫の転勤で香港に移住後、カメラに興味を持ち、日本人、外国人フォトグラファーに師事。現在、雑貨を可愛く撮るカメラ教室「Zakka Styling」を主宰。同時に家族写真、ロケーションフォトの依頼もこなす日々。インスタグラムはこちら。