コラム

トランプとバイデンの限界を露呈した第1回大統領候補者討論会

2020年10月01日(木)11時05分

今回の討論会中、司会のクリス・ウォレスがハンター問題に話題が及びそうになると、巧みに論点のすり替えを行ったために、バイデン元副大統領はレフリーストップで事なきを得ている。しかし、今後連邦議会において同スキャンダルの検証が進んだ場合、それが大スキャンダルに発展する可能性もゼロではない。また、その他のスキャンダルの火種としては、ダーラム検事が調査中の2016年大統領選挙におけるオバマ政権によるトランプ陣営のスパイ疑惑についても火種が燻り続けている状態となっている。

トランプ陣営は逆転のための切れ味鋭いメッセージを打ち出すことができるのか、バイデン陣営はバイデン及び家族の疑惑という潜在的スキャンダルから話題を逸らし続けることができるのか。投票日までのラスト1か月を迎えようとしている中、最後の瞬間まで何が起きるか目を離すことができない戦いが続いている。

プロフィール

渡瀬 裕哉

国際政治アナリスト、早稲田大学招聘研究員
1981年生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。 機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。日米間のビジネスサポートに取り組み、米国共和党保守派と深い関係を有することからTokyo Tea Partyを創設。全米の保守派指導者が集うFREEPACにおいて日本人初の来賓となった。主な著作は『日本人の知らないトランプ再選のシナリオ』(産学社)、『トランプの黒幕 日本人が知らない共和党保守派の正体』(祥伝社)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか』(すばる舎)、『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『2020年大統領選挙後の世界と日本 ”トランプorバイデン”アメリカの選択』(すばる舎)

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