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日本企業の海外進出に注目高まる「グローバルサウス諸国と治安リスク」
グローバルサウスに注目する日本企業
一方、今後トランプ政権下で新たな米中対立が予想される中、日本企業の間ではそういった大国間リスクとは距離を置くグローバルサウス諸国への関心が近年強まっているが、グローバルサウス諸国の中にはテロの脅威(差し迫った脅威もあれば潜在的な脅威もある)を抱える国々が少なくなく、グローバルサウスへの開拓強化を目指す日本企業からは治安面での懸念が大きく聞かれる。
ここでは、インドネシア、インド、アフリカ・サヘル地域に絞って紹介したい。
インドネシアのテロ組織の代名詞だったジェマーイスラミアが解散
まず、多くの日本企業が進出する東南アジアで、インドネシアのテロ情勢は大きな転機を迎えた。国内で過去に欧米権益を狙ったテロを繰り返してきたイスラム過激派ジェマーイスラミアは昨年6月末、組織を解散を発表した。
公開したビデオ動画にはジェマーイスラミアの幹部16人が映り、組織を解散し、今後はインドネシア国家に従順し、法令を遵守していくことを宣言した。
解散に至った背景には、組織の中で暴力的な聖戦への関心が集まらなくなったことなどが考えられるが、2002年10月にはバリ島で外国人観光客が集まるナイトディスコを狙った爆弾テロを実行し、200人あまりが死亡した。
死亡者の多くはオーストラリア人だったが、現場にいた日本人2人も犠牲となった。
その後も、2003年8月のジャカルタ・マリオットホテル爆弾テロ(12人死亡、約150人負傷)、2004年9月のジャカルタ・オーストラリア大使館前爆破テロ(9人死亡、約150人負傷)、2005年10月のバリ島・同時爆破テロ(邦人1人を含む23人死亡、約200人負傷)、2009年7月のジャカルタ・マリオットホテル及びリッツカールトンホテル連続爆破テロ(9人死亡、約50人負傷)など欧米人を狙ったテロ事件が相次ぎ、この当時インドネシアは世界的にも1つのテロの震源地だった。
そのジェマーイスラミアが解散を宣言したことは、インドネシアのテロ情勢にとって大きな明るい兆しとなったが、解散という決定に納得がいかないメンバーも存在し、そういったメンバーたちが新たな過激組織を結成する可能性は否定できない。
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