コラム

「親子2代50年以上の支配の終焉」国際テロ情勢の観点からアサド政権崩壊を考える

2024年12月29日(日)08時09分

しかし、厳格なイスラム法による国家統治を目指す姿勢は排除しておらず、アフガニスタンのタリバンのような状況が到来するシナリオも考えられる。

我々はジハード組織というと、アルカイダかイスラム国をイメージするが、両組織にとってジハード主義は必須である一方、ジハード組織は何もアルカイダかイスラム国かというわけではない。

当然だが、アルカイダでもなくイスラム国でもない新たな名前を司る組織が台頭する可能性は十分にあり、新世代のジハード組織の誕生もあり得る。


アルカイダやイスラム国が大規模なテロを実行し、国際安全保障上の脅威になった最大の原因は、安心できる生活場所を与えたことであり、9.11時のアフガニスタン、2014年から2016年あたりのイラク、シリアはそれを物語る。我々は、シリアを再びテロの温床にしないためにも、今後のジャウラニの動向を注視する必要がある。
 

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プロフィール

和田 大樹

株式会社Strategic Intelligence代表取締役社長CEO、清和大学講師(非常勤)。専門分野は国際安全保障論、国際テロリズム論など。大学研究者として国際安全保障的な視点からの研究・教育に従事する傍ら、実務家として海外進出企業向けに政治リスクのコンサルティング業務に従事。

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