コラム

三島、川端、大江、谷崎だけじゃない......若い世代の日本文学がフランスで愛される理由

2025年02月19日(水)17時55分
西村カリン(ジャーナリスト)

2012年3月に開かれたパリ国際ブックフェアでは日本が「招待国」に選ばれ、日本の小説家20人ほどがパリに行って対話などのイベントに参加した。今回のエスカパド文学賞では5人の小説家が5月の授賞式に招待されたが、それぞれ理由があって1人も来られない。本当に残念だ。

フランスの読者はがっかりしただけでなく、日本の小説家が日本でも読者に会う機会が少ないこと、あるいはあまりテレビやラジオの番組に出ないことに驚いていた。フランス人からすると、小説を読むことが一個人の経験で済んでしまうのではなく、他の読者や小説家との共有経験になってほしい。小説家にとっても、読者に会って意見交換するのは非常に重要なことではないかと私は思う。


magTokyoEye_Nishimura.jpg西村カリン

KARYN NISHIMURA

1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。AFP通信東京特派員となり、現在はフリージャーナリストとして活動。著書に『フランス人記者、日本の学校に驚く』など。Twitter:@karyn_nishi

20250401issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月1日号(3月25日発売)は「まだ世界が知らない 小さなSDGs」特集。トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)
・ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

豪政府が予算案発表、新たな減税盛り込む 財政収支は

ワールド

独IFO指数、3月は86.7に上昇 景気回復期待高

ワールド

米ロ、サウジの会合の結果を分析中=ロシア大統領府

ビジネス

米個人消費が鈍化、物価高や経済見通し悪化で
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放すオーナーが過去最高ペースで増加中
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 5
    コレステロールが老化を遅らせていた...スーパーエイ…
  • 6
    ロシア軍用工場、HIMARS爆撃で全焼...クラスター弾が…
  • 7
    止まらぬ牛肉高騰、全米で記録的水準に接近中...今後…
  • 8
    【クイズ】アメリカで「ネズミが大量発生している」…
  • 9
    トランプの脅しに屈した「香港大富豪」に中国が激怒.…
  • 10
    ドジャース「破産からの復活」、成功の秘訣は「財力…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 8
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 10
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story