遠くても訪れたい「こだわりの店」は時代も国境も超える...サラリーマン時代の「豆腐屋」の思い出
一つは「კახელები(カヘレビ)」という店だ。「カヘティ地方の人たち」という意味で、日本でいえば「うちなんちゅ(沖縄生まれの人)」のようなニュアンスが近い。
お店のスタッフも食材もジョージア東部にあるカヘティ地方産。一般のレストランでは見かけないような、肉のシチュー「ボズバシスープ」やブルーベリーのサラダなど、本当に頰が落ちてしまうような絶品料理ばかりだったのだが、特筆すべきは、その立地だ。
人気レストランが街の中心部のアクセスのよい所に出店するのが常識であるところに、「カヘレビ」は不便な郊外の何もない道路沿いにあった。この素晴らしい料理を、このような立地で出すこだわりに引かれ、私はすっかりこのレストランのとりこになってしまった。
もう一つは「პატიოსანი კაცის დუქანი(パティオサニ・カツィス・ドゥクァニ/尊厳のある男の酒処)」という店だ。伝統的なジョージア料理を厳選された食材で作り、おいしい食事を提供する首都トリビシ郊外の店なのだが、ここも街から外れた何もない平野の道路沿いにあった。
ビジナ叔父さんが私を連れて行ってくれたこの店に、男友達ギアと女友達マリアムを連れて行ったところ、2人はその後、めでたく結婚したという幸福のお店でもある。