コラム

日本の在留外国人が過去最多...... 生活支援の充実を忘れないで

2024年12月16日(月)19時00分
カン・ハンナ(歌人、タレント、国際文化研究者)

BENNYMARTY/ISTOCK

<2024年上半期に在留外国人が過去最多を記録したのは明るいニュースだが、日本で長らく共生してきた「古株」外国人にも目を向けてほしい>

日本に在留する外国人が今年上半期において358万人を超え、過去最多となった。新型コロナウイルスの感染拡大前を上回る水準であり、夢を持って日本で暮らしたり、訪れてみたいと思ったりする外国人が増えていることは、同じ立場の私にとってもうれしい話だ。

日本をはじめ、少子高齢化が進む韓国や香港などでも外国人労働者の存在は社会に欠かせない。これからの時代は働いて暮らす場所としての魅力をいかに発信し、優秀な外国人材を誘致するのかが国の競争力を左右するだろう。


私の母国である韓国も先頃、高度外国人材の誘致などを柱とする「新出入国・移民政策推進策」を発表し、高度人材や若者向けのビザ新設などに力を入れている。実際、今年の韓国の在留外国人数は約261万人に達し、今後5年間で300万人に到達すると予想されている。この数字は韓国の総人口の約5%に当たり、「移民が共同体の一員として自立して韓国社会に寄与する構造をつくらなければならない」という政府高官の姿勢からも、少子高齢化が深刻化の一途をたどる国としての危機感がひしひしと伝わってくる。

おそらく、日本も韓国も数十年後を見据えれば移民社会になっているのが自然な流れだろう。日本で暮らし始めて10年以上となる私がここで1つ、本音を伝えたい。

プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)
・ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ関税巡り希望持てず=訪米後に仏大統領

ワールド

英語を米国の公用語に、トランプ氏が大統領令を計画=

ビジネス

米PCE価格、1月+2.5%にやや減速 個人消費は

ビジネス

独CPI、2月速報はEU基準で+2.8% 前月と変
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:破壊王マスク
特集:破壊王マスク
2025年3月 4日号(2/26発売)

「政府効率化省」トップとして米政府機関に大ナタ。イーロン・マスクは救世主か、破壊神か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天才技術者たちの身元を暴露する「Doxxing」が始まった
  • 3
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身のテック人材が流出、連名で抗議の辞職
  • 4
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 5
    米ロ連携の「ゼレンスキーおろし」をウクライナ議会…
  • 6
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 7
    日本の大学「中国人急増」の、日本人が知らない深刻…
  • 8
    ボブ・ディランは不潔で嫌な奴、シャラメの演技は笑…
  • 9
    【クイズ】アメリカで2番目に「人口が多い」都市はど…
  • 10
    「売れる車がない」日産は鴻海の傘下に? ホンダも今…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チームが発表【最新研究】
  • 3
    障がいで歩けない子犬が、補助具で「初めて歩く」映像...嬉しそうな姿に感動する人が続出
  • 4
    富裕層を知り尽くした辞めゴールドマンが「避けたほ…
  • 5
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 6
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身…
  • 7
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天…
  • 8
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 9
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 10
    東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story