196分の1を選んだ「外国人財」を大切に...来日した優秀人材が国を救う
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<日本が「世界第3の経済大国」の地位を守るには「外国人財」の活躍が不可欠>
コロナ禍も落ち着き、国境も開放された現在、観光や就労で来日する外国人も増えている。日本人は人財(私はあえてこう書く)の重要性を再認識する必要があると思う。少し前、とある企業をグローバル教育の研修(異文化コミュニケーション研修やダイバーシティー研修など)の講師として訪れた際、日本人以外の外国籍の社員も参加していることに感銘を受けた。
他の企業では東アジア系の社員が参加する例はあったが、この企業では東アジア系以外の社員も参加していて、斬新な取り組みだと感じた。担当者は「弊社は日本人・外国人問わず、必ず同様な教育をするようにと心がけている」と語っていた。
その理由を尋ねると、国籍関係なく人によって気付く点が異なる場合が多々あり、いずれその点が新たな発想に変わると期待しているとのこと。確かにその考えは納得できる。
私自身もかつて外国人として、日本の会社で同僚との関係改善を図るために会話に参加しようとしたことがあった。しかし、なかなか受け入れられなかった。そこで、私はそのときどうしたらいいか考えてみた。
実は私はなぜ日本が経済大国となったのかに興味があり、大手企業や中小企業の名前を聞くたびにその背景を調べることが好きだった。今もそうしていて、その場で調べたり、会社名をメモし、時間をつくって後で徹底的に調べたりもする。その過程で、日本の真の成長姿勢が見えてきた。例えば外国のものを含め、新しい文化を常に取り込んできたこと。戦後は欧米を中心にたくさん学び、信頼の「日本製」をつくった。白物家電だけでなく、私が営業して売った工業用品や、取引先の紙・ティッシュ製品なども紙質が抜群にいい。
同僚との会話を盛り上げるために、自分が調べた情報を少しずつ話してみたが、最初はあまり受け入れてもらえなかった。「外国人のくせに知った顔をして」とも言われた。しかし親切な先輩は「よく知っているね」と応援してくれて「シャハランは日本好きだからこそ、たくさん日本や日本企業について調べているんだね」と褒め続けてくれた。
やがて他の先輩も徐々に話を聞いてくれるようになり、私も少しずつ会社で自分の立ち位置を見つけることができた。
仲間外れにされた私は先輩の支えもあり、一生懸命仲間をつくった。しかし私の努力は一部の人には面白くなかったかもしれない。そう考えると、時にはむなしさを感じた。これは日本において外国人が生活し、働く際の課題だ。かつての私のように、仲間になれないまま働き続けなければならず、苦しみや疑問を抱く外国出身の人々はさまざまな役職や立場で多いだろう。