外していいよと言っても、外さない小学生。日本人はマスクをずっと着け続けるのか
KIM KYUNG HOON-REUTERS
<社会の同調圧力、無責任な日本政府、政府より厳格な企業の対策。ウィズコロナってマスク社会のことだったっけ?>
東京では電車の中でも、マスクを着けていない人をちらほらと見掛けるようになった。彼らを白い目で見るマスク信仰派もいるが、かつての「マスク警察」は影を潜めたようだ。
それでも、「ノーマスク」に戻った国々と比べると、その差は歴然としている。
街を歩く人の大半がマスクを着け、大人も子供も会社や学校で口元を隠したまま生活している日本の日常は、言うなれば「ソフト・ゼロコロナ」。依然、コロナの呪縛から解放されていない。
日本のコロナ対策を中国の「ゼロコロナ」政策と比べるのはおかしいと言う人もいるだろう。
習近平(シー・チンピン)政権は、厳しい行動制限が伴うロックダウン(都市封鎖)で市民を苦しめた。その反動で11月下旬からは、ゼロコロナに反対するデモが中国各地に拡大し、習近平本人にまでその矛先が向けられるようになった。
そんな中国の状況はもちろん日本とは大きく異なる。
ただ、日本で生活していて思うのは「ウィズコロナ」って「マスク社会」のことだったっけ? ということ。いつまでマスク生活を続けなくてはならないのか。
100年前のスペイン風邪ですら3年で収束したのに、発生から間もなく3年がたつコロナ禍はいまだ終わりが見えない。
強制力を伴わないコロナ対策を行ってきた日本政府は、賢いけれど、ある意味無責任だ。同調圧力が強い日本社会では、これまでそれが功を奏してきた。
しかし現在は、厚生労働省が「屋外では季節を問わず、マスクの着用は原則不要です」という指針を出しているにもかかわらず、みんなマスクを着け続けている。
小学校の体育の授業では、教師が外していいと言っても、マスクを外さない児童が多いとも聞く。「周りの目があるから」だろう。
そんな同調圧力に加え、企業の対策は政府以上に厳格だ。商業施設では入り口で「マスクをご着用ください」と掲げる所が今も大半を占め、飲食店でも入店時はたいていマスク着用を求められる。