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未来を見通すインパクト投資は、なぜテスラではなくトヨタを選んだのか?
ドイツのタクシーはトヨタのハイブリッド・プリウスが目立っている。ベルリンでは1200台のプリウス・タクシーが走っている。©TOYOTA Europe
<オランダのグローバルなインパクト投資企業の投資基準にテスラが適合せず、彼らがトヨタを選んだことに欧州では注目が集まっている......>
「ハイブリッド」の再評価
大気汚染や温暖化への対策として、電気自動車(EV)への移行は喫緊な課題だと強調される。自動車大国ドイツでも、EVへのシフトは徐々にはじまっている。しかし、ドイツのタクシー車両の約60%はメルセデスで、2位のフォルクスワーゲンが約20%を占めているが、これらのクルマのほとんどは燃焼エンジン車である。
ベルリンでは、メルセデスに次いでトヨタが2位に続いている。市内7,500台のタクシーのうち1,200台がトヨタで、そのほとんどはハイブリッド・プリウスである。タクシーにおけるハイブリッド車の利点は明らかだ。燃焼エンジンと電気モーターの組み合わせは、特に都心部の走行でその強みを発揮する。
24年前、世界に先駆けて環境に配慮したプリウスを発売したトヨタは、これまでに1,500万台以上のハイブリッド車を販売し、現在、世界90か国で36の電動車両モデルを提供している。トヨタは、今後5年間で40台の新車またはアップグレード車を市場に投入する予定だ。
トヨタ・ヨーロッパは、今年度中に、ドイツで1,000台のプリウス・タクシーを販売することを目標にしている。ドイツの「Auto Bild」誌は、TOYOTA PRIUS + TAXIに「ベスト・カンパニーカー2019」特別賞を授与した。プリウスは、世界のタクシー事業の基準を設定したと評価されたのだ。環境保護の街ベルリンで、プリウスはタクシー以外でも支持されている。最近では、ベルリン警察もプリウスを採用している。
ギガファクトリー・ベルリン
2020年、EV世界最大手で知られるテスラが、ネバダ、ニューヨーク州バッファロー、上海に次ぐ4番目のギガ・ファクトリーをベルリン郊外に作ると発表した。以来、地元に大規模な雇用が生まれる期待と同時に、環境問題の火種も生じてきた。今、ベルリン近郊のグリュンハイデにあるギガ・ファクトリーでは、急ピッチに工事が進められている。2021年7月には生産を開始し、当初は7.000から8,000人、その後12,000人の従業員で年間最大50万台の車両を生産する予定だ。
2020年1月初旬から承認手続きが開始され、ブランデンブルク州議会は、ベルリンのブランデンブルク新空港にも近い工場予定地の購入契約を承認した。テスラが購入した302ヘクタールにおよぶ林地の土地価格は、約4,100万ユーロ(約51億3,000万円)と言われている。
テスラは、計画されている工場建設費を11億ユーロ(約1,377億円)弱と見積もっていたが、CEOであるイーロン・マスクは、昨年12月、「ビジネスインサイダー」誌に「残念ながら予算は超過する」と語った。環境保全活動家や地域の住民は、工場が環境に悪影響を与えることを恐れている。彼らは工場での水の消費量が多すぎると考えており、保護動物が危険にさらされると心配している。
株式市場を見てみると、テスラがどれだけ自動車業界をかき乱しているかがわかる。テスラは現在、時価総額で1,600億ユーロ(約20兆1,613億円)以上の価値を持ち、フォルクスワーゲンとBMWの合計よりも価値があることになっている。テスラは昨年、全世界で37万台弱を販売したが、VWグループとBMWは、合わせて約1,350万台を販売していた。
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