トランプ乱発の大統領令も、実は「強制力を持たない」?...4つのカテゴリーに分けると「真の意図」が明らかに
A FLOOD OF ORDERS
第1次政権時代の19年に導入された「メキシコ待機」政策も同様だ。これは難民申請者に認定審査の裁判開始まで南部国境のメキシコ側にとどまることを義務付けるものだ。別の大統領令では、裁判を待つ間は入国を認めてきた慣行を廃止した。
こうした命令の影響は即座に表れ、税関・国境取締局はトランプ大統領就任直後、モバイルアプリ「CBPワン」を廃止。係争中の移民裁判手続きも全てストップした。
命令の多くは新閣僚の承認手続きがまだ終わっていないにもかかわらず、今後数日から数週間以内に実行計画の策定を政府機関に求めている。そのため大統領令に対する各省庁の解釈が割れ、政府内対立につながる可能性も十分にある。
移民関連の命令は「間違いなく法廷に持ち込まれる」と、パールスタインは指摘する。
出生地主義廃止の命令は既に複数の訴訟に直面しており、最高裁まで行くことはほぼ確実。最高裁は1898年から一貫して、合衆国憲法は出生地主義に基づく国籍取得を保障しているとの立場を維持している。
パールスタインは、大統領が恣意的に選んだ人物に、身辺調査がまだ終わっていないにもかかわらず最高機密へのセキュリティークリアランス(アクセスできる資格)を直ちに与える命令についても言及した。
「国家安全保障分野で重要な役割を担う人々の権限を強化したり弱めたりする手段として、セキュリティークリアランスをもてあそぶことには深い懸念を覚える」