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トランプの「ディール外交」──ゼロサム的世界観を紐解く

A MORE ZERO-SUM WORLD

2025年1月23日(木)16時28分
ラビ・アグラワル(フォーリン・ポリシー誌編集長)

関税は、トランプの交渉戦術において並外れた役割を果たすだろう。最近も「関税」を「辞書の中で最も美しい言葉」と称した。

不透明なのは、それがアメリカの利益にどう役に立つのかということだ。短期的には、関税は主に消費税として機能し、即座にインフレを招いて、富裕層より低所得層に深刻な影響を与える可能性が高い。


インフレと株式市場の混乱

トランプに近いエコノミストは、長期的には関税が莫大な税収をもたらし、企業に国内で生産するように促して、米経済の主要な問題を是正できると主張する。ただし、短期的には、関税はトランプが嫌う2つの事態を引き起こし得る。

インフレと、株式市場のパニックだ。

中国はこの力学を理解しているからこそ、自国の経済に打撃を与えるための関税を静観しないだろう。中国国内で大規模な製造事業を継続しているアップルやテスラなど主要な米企業に対し、大きな影響力を持ち続けている。

同盟国、敵対国に続く3つ目のグループは人口1000万人未満の100以上の小国で、モルディブやモーリタニアなど大半が南半球の発展途上国だ。

トランプが多国間外交を避けて2国間取引を優先するというシナリオから、彼らは最も大きな打撃を受けることになる。

関税が世界規模で広がった場合やトランプ政権のディールに対し、これらの国々は優遇措置を求めるための規模や力、強みがない。

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